だれもが本好きのまち宣言! たるBOOKが提案


 「本」をテーマに活動する団体「たるBOOK」の中川めぐみ代表ほか3名が、5月31日(水)小樽市役所(花園2)を訪れ、小樽市に「いつでもどこでもだれもが本好きのまち」を宣言することを提案した。
 対応したのは上林猛副市長はじめ、林秀樹教育長・鈴木浩一図書館長ほか担当職員5名。
 同会は、2014(平成26)年に、だれもが本に親しめるように、「本との出会い」を作り、「本好き」が集まり、「本」をツールに新しいまちづくりをしていくことを目的に設立され、この3年間は、市のふるさとまちづくり協働事業の助成金の交付を受けて活動を続けてきた。
tarubook.jpg 今回、助成金の交付が終了したことに伴い、これまでの事業実績の報告と活動の総括として、本好きのまち宣言を市に提案することにした。
 中川代表は、小樽が伊藤整や小林多喜二などの作家を輩出した、文学のまちであることに触れながら、「小樽の子どもたちにもっとたくさん本を読んでもらいたい。それには大人もたくさんの本に触れ、子どもに本を届けることが必要。本を片手に語り合う場所や時間があり、本を読むことで、人として成長していける環境を整備していくためにも、市に本好きのまち宣言をしてもらい、まちづくりを共に進めていきたい」と、提案の主旨を説明した。
 この後、上林副市長らと懇談し、同会の鈴木富美子さんは、「若いお母さんに活字離れがみられ、子どもに童謡や絵本の読み聞かせをしていないことが多い。ボランティアの読み聞かせを通じて大切さを伝えてきた」と話し、緑小で読み聞かせのボランティアを行っている池田幸子さんは、「小学生もつらいことはある。そんな時に僕も頑張ろうと思える絵本を読んであげたり、本は面白いなと思ってもらえるような活動をしたいと考えている」とそれぞれの思いを話した。
 中川代表は、「最初は子どもを本好きにすることに焦ったが、まずは、家庭で本を読む習慣、本に触れる機会を増やすような地道なことが大切」と話すと、上林副市長も、「子どもに対する読み聞かせなどは、皆さんのようなボランティアの方々の活動でも行われているが、問題は大人。大人が本を読んでいる姿を見せることが大切なのに、親世代に活字離れが進み、子に読書の習慣が繋がらない悪循環になっている」と応答し、「以前は、喫茶店などで読書をすることが楽しみだったが、今はそういう店がほとんどなくなっている」と話すと、皆が一様に頷くシーンもあった。
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 現在、市の読書環境への取り組みについて、市立図書館では、今年度から子ども図書担当の司書を配置し、学校図書館通信を出すなど学校図書館との情報共有に取り組んでいる。
 また、道立図書館ともネットワークが繋がっている。その延長に学校図書館とのネットワークが考えられるが、ハード・ソフト両面の整備に経費の問題もあり、市としても読書環境に関する積極的な市民世論の盛り上がりに期待し、提案の主旨を大切にしていきたいとした。読書を巡る課題については、概ね同会と市との間に共通の認識が確認された。
 道内では、恵庭市が積極的な読書のまちづくりを行っており、2013(平成25)年には「恵庭市人とまちを育む読書条例」が制定されている。
 たるBOOKでは、6月24日(土)18:00から、ビストロ小泉(稲穂1)で大人の絵本カフェを開催する。問合せは、中川代表(080-1877∸802)へ。
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