観光シーズンとともに水族館は出産ラッシュ



 おたる水族館(祝津2)は、トドのまもことネズミイルカのアツコとが相次いで出産し、関係者を喜ばせている。
otaruaqua-todo.jpg トドのまもこ(15歳)は、5月29日(月)午前4:00頃、トドプールで出産。2013(平成25)年に小次郎を出産後、4年ぶりの出産となったが、5回目ともなると授乳も順調で、母親の貫禄を覗かせた。
 30日(火)現在、まだ性別は不明で、推定体長80cm・体重18kg。母子ともに健康。まもこは、お乳を飲みやすい姿勢で横たわり、仔に顔を近づけたり、仔は、寝たり起きたりしながら母親の側を離れず、お乳を飲んでいる様子が公開されている。
 父親のソユン(8歳)は、2010(平成22)年4月に保護された野生の個体で、母親のまもこは、2001(平成13)年6月同館で生まれ、今回で5回目の出産。1回目は死産。2回目は生まれてから死亡。3回目の仔は大分県の水族館へ、4回目は小次郎で同館で過ごしている。
 また、5月中の出産を予定していたネズミイルカのアツコ(14歳)も、30日(火)5:17に飼育員に見守られながら出産した。

 出産までの時間は40分で、前回のような難産ではなく母子ともに元気だ。性別はメスで、体長60cm・体重9.7kg。
 アツコは2度目の妊娠で、2015(平成27)年5月15日にオスを出産したが、難産のため生後9分で死亡し、関係者は残念な思いをしていた。今回こそはと期待が高まる中、無事に出産。ところが、アツコの哺乳行動がみられないため、仔は別のプールで人工保育を開始した。
 アツコは出産前と同じようにモニター越しに見られるが、仔は未公開。出産の様子を撮影したビデオと写真は同館からの提供。今のところ公開はいつになるか未定。
 同館・角川雅俊獣医師は、「元気に生まれたが、これからの成長に力を入れていきたい」と話した。

 同館では、1984(昭和59)年からネズミイルカの飼育を続けているが、ネズミイルカは、学術目的以外での生体の保持を禁止しているため、北海道大学水産学部と共同で、生態や習性の研究を続けている。
 現在、アツコも含めて4頭(メス2・オス2)を飼育している。無事にアツコが出産した場合は、国内で初めてのネズミイルカの繁殖となり、期待を集めている。(ネズミイルカ動画・写真提供:おたる水族館)
 この他、トド1頭が妊娠していると思われ、トドプールは今後さらに賑やかになる。
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