心に波動を! ウェーブ12人展


 小樽にゆかりのある作家12人の今を描く「wave ウェーブ12人展」が、5月23日(火)~28日(日)に、市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで開かれている。
 江川光博・大谷美由起・末永正子・高野理栄子・徳吉和男・ナカムラアリ・羽山雅愉・坂東宏哉・深山秀子・福原幸喜・森山誠・八重樫眞一の個性溢れる面々が、この作品展のために制作した傑作48点を展示している。
wave12.jpg 油彩・水彩・パステル・版画・インスタレーション・ミクストメディアなど、作品のジャンルは幅広く、点や線・影・色彩などを使った非具象的な作品も多く、12人の独特な作風に、来場者の心に波動を呼び起こす。
 版画家のナカムラアリさんは、手で作るキツネの影絵を主人公にしたアニメーションを制作中で、そのワンシーンをステンシルで描き、和紙を張り込んだ作品を展示。
 同会事務局長を務める八重樫眞一さんは、2月から制作に取り掛かり、大作に相応しい、描くことのスタート地点である学生時代のアトリエを交えた「雲の行方」を発表。見る位置により雲の表情が変わる。
 末永正子さんは、リズミカルな線の強弱・鮮やかな色彩が語り出す「Toki」と「Sakana」。
 高野理栄子さんは、版画の技法のひとつモノタイプで「Ame」を発表。独特の感覚で偶然性が見え隠れし、グラデーションの濃淡が作品を引き立てる。

 風景画も来場者にインパクトを与えている。その1人・福原幸喜さんは、100号2枚の大画面に、山々に雪が残る初春の寿都中学校周辺ののどかな風景を瑞々しく描き、心の風景「春風」を出展。徳吉和男さんは、小樽の人に共感を与える冬の風景を描き、冷たい空気・白の世界・雪を踏みしめて歩く音が聞こえそうだ。

 ニセコのアトリエで制作活動に励む坂東宏哉さんは3回目の出展。作品展のために新作を発表。宇宙をテーマに、紐を使って波動を表現した。鮮烈な赤と青が印象的。坂東さんにとっても、他作家の作品を観るのが楽しみで、刺激を受けているそうだ。
 八重樫さんは、「メンバーそれぞれが1年かけて、気持ちにぴったりくるような作品を制作し、観る人の心に感動が伝わればと思う。ぜひ観にいただきたい」とPRした。
 wave ウェーブ12人展 5月23日(火)~28日(日)10:00~17:00
 市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー・入場無料
 アーティスト・バンク〜wave ウェーブ12人展