工藤三郎氏の絵画27点 市美術館へ寄贈


 小樽市は、北海道の洋画発展の先駆的画家・工藤三郎氏(1888~1932)の絵画27点の寄贈を受けて、1月31日(火)10:30から市役所(花園2)2階市長室で、寄贈者の工藤千賀子さん・ひとみさんが出席し、篤志善行表彰を行った。
 市表彰規則第2条第2項の規定(公益のため、市に100万円以上寄付した者)に基づいて行われ、森井秀明市長から、表彰状と記念品が贈られた。
 市長は、「芸術に意識の高い方が小樽に多く、大変喜ばれると思う。芸術が似合う小樽の原点を知り伝わる機会となればうれしい。多くの人の目に触れ、観ていただける環境づくりができる。大事なものをありがとうございます」と感謝した。
kaigakizo.jpg 洋画家・工藤氏は、東京美術学校(現東京芸術大学)在学中、1907年、北海道で最も早い洋画展「羊蹄画会」を結成し、小樽で第1回展を開催。パリに憧れ、留学後は小樽に留まり後進の指導に努めた。45歳の若さで亡くなった。
 寄贈した千賀子さん・ひとみさんは、直射日光を避け、ストーブを焚いて湿気に気をつけて絵画を保管し守ってきた。「養祖母が守ってきた絵を、無事に寄贈できて安心した。工藤三郎の絵を市民の皆さんに観ていただきたい。私達が持っていても、一般の方の目に届かない」と話し、一日も早い展覧会の開催を待ち望んだ。
 寄贈された作品は、制作年数がほとんど不明で、分かっているもので1914年「採石場」、1915年「自画像」は100年前に描かれた作品。パリを題材に描いた1920ー23年「パリのモデル」、「セーヌ川」、小樽で制作したと思われる「雪景色」や「積丹岳」など。
 市立小樽美術館・旭副館長によると、「収蔵委員会を開き作品を見たところ、保存状態が良く、小樽に収蔵するのが望ましい作品。今後、作品を調べ、展覧会へ繋げたい」と述べた。
 平成28年度は、この他、成田玉泉2点・大月源二1点・中村善作1点・平沢貞通1点を合わせ、32点が同館に寄贈された。
 関連記事1 関連記事2