手宮中央小で119番の日 通報要領を体験


 小樽市消防本部は、11月9日の「119番の日」にちなみ、小樽市立手宮中央小学校(末広町13・仲倉優校長)で、正しい119番通報要領を身に付けることを目的に、記念行事を実施した。
119day1.jpg 同校児童228名と教職員30名が参加し、消防本部警防課、手宮出張所職員や救急隊員ら20名が対応にあたった。
 10:20頃地震が発生。その影響で同校1階の電気室から火災発生を想定して、避難訓練を実施。全校児童や職員は、口元を押さえて迅速に体育館に避難した。
 1〜3年生は、玄関前のはしご車・化学車・救急車などの消防車両を見学したり、消防隊員が火災発生時に着用する防火服に触れ、酸素ボンベの重さを体験。サリンや放射能等の有害物質発生時に着用する防護衣や機械器具の説明を聞いた。
 4〜6年生は、体育館で119番模擬通報訓練装置で通報訓練を体験。消防署員の説明を聞いた後、順番に通報体験した。
119day2.jpg 金澤優真君(5年)は、「緊張した。通報時に、住所が分からなかったら困るので、覚えておこうと思った。体験はためになった。この後、防火服を着てみたい」と話した。
 火元を想定し、水が出る消火器を使った初期消火訓練や、訓練用のダミーを使ったAED(自動体外式除細動器)の使用方法と心肺蘇生法を体験。防火衣の展示と着装体験、東日本大震災に関連したDVD上映などが行われ、児童は学年ごとに各ブースを回った。
 終了後、「火の中に入る時の服がどんなものか分かった」、「AEDの使い方や映像を見て津波の怖さが分かった」など感想を述べた。
 消防本部警防課・浪岡郁夫課長は、「今日、皆さんに一番覚えてもらいたいのは、119番は、火災や事故・怪我した時に呼ぶもの。救急隊や消防隊のいろいろな道具を見てもらったが、これは、人の命を守るために活かされるもの。そのためには、早い119番が必要となる。市内では年間1万600件の119番通報があるが、いたずらや間違いが200件ほどある」と話した。
119day3.jpg 119番記念行事は、市内の小中学校を一通り回ったため、ウイングベイ小樽(築港11)で通報体験を実施していたが、統合により4月に開校した手宮中央小学校で開いた。今後、随時、統合した学校で実施する予定。
 市内の火災発生状況は、昨年(平成27年1月〜12月)は48件、今年(平成28年1月〜11月8日)37件。昨年同期と比べて5件少ない。このうち建物火災22件。昨年同期は24件。ガスコンロの消し忘れ、ストーブに火炎物の接近などのうっかり火災が原因となる。火災による負傷者は4名で死者はいない。現在、住宅用火災報知器の設置率は74%となる。
 消防庁では、消防に対する正しい理解と認識を深め、防火防災意識の高揚、地域ぐるみの防災体制の確立に資することを目的に、1987(昭和62)年から11月9日を”119番の日”とし、各地で記念行事を実施している。
 小樽市消防本部HP
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