北海道が主催する2016(平成28年)度「北海道新技術・新製品開発賞」の食品部門において、田中酒造株式会社(色内3・田中一良代表取締役)のアイヌ伝統の稗(ひえ)の酒「カムイトノト」が優秀賞を受賞し、10月12日(水)、道庁で表彰式が開かれ、田中社長が出席した。
カムイトノト(アルコール10%・2,000本製造)は、アイヌの神事に欠かせない酒「トノト」を再現し、現代の日本酒製造技術の応用により製造した醸造酒。原材料にアイヌの伝統を守るために神聖な国産稗と道産米麹を使用。甘味料の代わりに米麹で糖化させた稗を加え、独特の酸味と自然な甘さがバランス良く、現代の消費者に受け入れられる風味に仕上げた。ラベルには、アイヌ民族の着物の文様をイメージしたデザインを起用。
同社は、2011(平成23)年度にリキュール「楽酒美(らくしゅみ)」で奨励賞、2014(平成26)年度アロニア酒「小樽美人」で大賞を受賞。この度は3回目の受賞となった。
道は、1998(平成10)年度から、技術開発を促進し、新産業の創出や既存産業の高度化を図るため、道内中小企業者が開発した優れた新技術・新製品を表彰している。ものづくり部門と食品部門を設け、新規性・独創性、技術水準、市場性等を審査し、大賞(1件)・優秀賞(2件)に知事から表彰状が贈呈される。
その報告会が、10月28日(金)15:00から、小樽市役所(花園2)2階市長室で開かれた。
田中社長は、「アイヌをバックグラウンドに使える北海道ならではのもの。東京のキャンペーンでも珍しがられた。独特で目につきやすく健康に良い商品。市内企業は、技術のレベルも高く、もっと挑戦してもらいたい」と話した。
森井市長は「口当たりが良い。稗は馴染みがないが、固定観念を覆した。お酒として飲むことができた」と絶賛した。
また、HBC北海道放送が主催する「北海道健康経営コンテスト」で、同社が最優秀賞を受賞。社員には、発酵食品を食べるように指導。休まず長く勤められる体づくりができ、医療費の軽減に繋げ、社員の健康管理に配慮している会社として表彰された。
田中社長は「小樽市全体の経済に協力。医療費の軽減になる」と受賞を喜んでいた。
◎平成28年度「北海道新技術・新製品開発賞」応募要領
◎北海道健康経営コンテスト
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