小樽港のシンボル ! ケーソンクレーン解体撤去! (2016/10/03)

 小樽港南防波堤の基部にあるケーソンを制作するための歴史的クレーン2基が、足場で囲われており、クレーンを管理する小樽港湾事務所(国土交通省北海道開発局小樽開発建設部)に確認したところ、解体撤去されることが明らかになった。

 同事務所によると、2基のクレーンは今週中に撤去工事が始まり、11月初旬までには操作室や重りなどクレーンの水平部分、11月中旬位までに脚部が撤去される工程になっており、12月までには、クレーンの姿がすっかり無くなってしまうことになりそうだ。

 このクレーンは1935(昭和10)年製で、すでに81年が経過しており、老朽化が進んでいた。また、現在、ケーソンは大型化しているため、小樽港で制作できるサイズのケーソンの需要が無く、直近では2005(平成17)年に制作したものが最後となっていた。

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 同事務所は、「歴史的な位置付けを考慮するとクレーンの撤去は大変残念だが、倒壊の危険もあり、維持管理費も多額に上ることから撤去することになった。ケーソンを海に進水させるための斜路は土木遺産なので保存する」と説明した。

 調べによると、ケーソン制作用のクレーンは、現在、小樽港の他には全国どこにもなく、明治時代に作られた斜路も含めて日本で唯一の遺構であり、クレーンは明治期のものではないが、極めて貴重な資料である。

 小樽開発建設部HPによると、小樽港で防波堤の築造にケーソンが使用されたのが1912(明治45)年で、ケーソンを陸上の斜路上で作り、海中に滑り落とす進水方式を採用している。

 これは、当時世界でも例の無い小樽港独自で開発したもので、軍艦の進水方式にヒントを得た。経費も少なく作業も極めて簡単なことから、その後各港でも使用されるようになった築港工事史上特筆すべき施工法であると評価されている。

 小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観審議会会長で、北海道職業能力開発大学校・駒木定正特任教授は、正式には聞いていないと断った上で、「小樽港のシンボル的な施設が撤去されるのは大変残念だ。港湾事務所としては、自らのルーツであるので残したいと思っているのではないだろうか。今後、土木遺構の保存を考えていくためにも、今回、なぜ撤去することになってしまうのかや、斜路・クレーンなどケーソンヤード一体とした歴史的価値をしっかりと記録に残しておく必要があると思う」と話した。

 また、歴史的建造物の保存・再生に取り組むNPO旧小熊邸倶楽部理事長で、小樽市歴史文化基本構想策定委員会の東田秀美副委員長は、「小樽市も歴史を生かしたまちづくりのための基本資料となる歴史文化基本構想の策定に乗り出したところなので、小樽港のみならず港湾の歴史に重要なクレーンが撤去されるのは大変残念。ただ、建築物に比べて、橋や道路、今回のクレーンもそうだが、土木遺構は、金銭的にも管理の面においても誰がそれを担っていくのかを考えることは簡単ではないので、撤去することをただ批判するだけではいけないと思う」と話した。

 今回は、歴史的建造物ではなく、クレーンといった土木遺構が撤去されることになるが、産業の近代化に貢献した施設を失うことは、歴史ある都市の小樽市にとって、大きな痛手になりそうだ。

 ケーソン

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