40年の歴史"硯池会書道展" 臨書と創作書道


kenchikai1.jpg 臨書と創作書道を年に1度発表する、硯池会書道展(秋山真魚会長)が、7月24日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれている。
 硯池会会員をはじめ、同会の創設者・故長谷川東邦氏の弟子など繋がりを持つ、東京・札幌・小樽の小学2年生から80歳代まで34名の、臨書18点・創作書道27点を展示している。
 今回は、40回目の節目に合わせ長谷川東邦氏を偲ぶ企画が盛り込まれ、遺墨4点を展示し、これまでの作品展の様子を記録した画像等をファイルした資料も会場に用意された。
kenchikai2.jpg 昨年までは 臨書の硯池(けんち)会と創作の呵凍(かとう)会、創作小品の楽書展を合同で開催してきたが、40回目を機に、東邦氏が名づけた”硯池会書道展”に会名を戻した。
 臨書とは、中国では唐以前、日本では平安時代よりも古い著名人の手紙や経、ことわざなどを手本に真似て書き、書者の考え方や表現を学びとるもの。創作書道は、いろいろな書体を使い、大きさや墨の濃淡なども多様で、独自の個性を生かしながら文字をイメージした作品。文字をどのように表現するか、書者の創作の世界が広がっている。
 今年も黒滝書道教室に通う小学2~5年生5名(1人1点)の作品を出展し、のびのびと書かれた作品が並び、来場者を和ませている。
kenchikai3.jpg 病気の祖母を励ますために名前を一文字ずつ回復の願いを込めた作品や、自分の名前、好きな文字、国語の教科書の物語の題名など、作者自身が書きたい文字を決めたという。何枚もの作品から秋山会長が選んで出展。
 どれも、指導後の作品ではなく最初に書いた純真な1枚が選ばれている。指導者は、「子ども達の書きたい気持ちを大切にしている」と話した。
 同会長は、「臨書は手本を見て書くことが大事だが、掛け軸などを飾る場所がなく、もっと生活の中に生かす作品づくりを、今後していきたいと思う。長く積み重ねても書の世界は、まだまだだとつくづく思う」と40年の歴史を振り返った。
 第40回硯池会書道展 7月21日(木)~24日(日)10:00~17:00(最終日16:00)
 市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリー・入場無料
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