"向井流水法"知ろう!高島小児童に披露


 小樽市立高島小学校(高島5・加藤達子校長)の4・5・6学年の児童に、日本游法の流派のひとつで小樽市指定無形文化の「向井流水法」を披露。児童は、珍しい泳ぎ方に興味を示していた。
0708mukairyu1.jpg ユネスコスクール「ふるさと学習」の取組みのひとつとして、同校児童へ身近な水法とは違って見たことのない泳ぎ方を見て知り、同水法について、児童の興味や関心を高めることをねらいとし、ふるさと小樽の貴重な無形文化財を未来へと繋げる意義もある。
 向井流水法は、15世紀頃伊勢地方で生まれ、江戸幕府御船手の游泳の原形で、今日、我が国に残る日本泳法の12流派のひとつ。1916(大正5)年、向井流宗家直属師範・岩本忠次郎氏が、小樽水泳講習会の講師として来樽し、多くの門弟たちを育てた。それを受け継ぎ、小樽に向井流が根付いた。1991(平成3)年9月に小樽市の無形文化財第5号に指定されている。
 4年生は6月28日(火)に実施。5年生約40人は、7月8日(金)、小樽市高島小学校温水プールで、水泳学習終了後の11:40頃から10分ほど、向井流水法会の川端信義師範、竹原史子師範、渡邉一弘さんの3名が参加して泳ぎを披露した。
0708mukairyu2.jpg 扇足(あおりあし)を主として横泳ぎの「水府流太田派游泳術」と、踏み込み扇りの半立体游法の「向井流水法の泳ぎ」を、各10種類ずつ披露。川端師範が解説し、竹原師範と渡邉さんが泳ぎを披露した。
 中でも向井流水法の応用技の「水車(みずぐるま)」は、水中でぐるぐる回ってみせ、水中格闘の場合、相手を振り回すことに有利とされた技。
 同じく応用技の「配膳游法」を、ビート板を使って披露。実物は、膳に汁椀・飯碗・焼き物皿・煮物小丼・香物皿・箸受け・箸を載せて、汁などがこぼれないように泳ぐ細心の注意が必要となる技。児童は、珍しい泳ぎに注目し、大きな拍手を贈った。
 竹原師範は、「この道70年、子ども達に見ていただきありがたいこと。ひとりでも多くの子ども達に、競泳ではなく、経験のない泳ぎ(向井流水法)を知ってもらいたい」と話した。
 初めて見た児童は、「頭を動かさずに泳いでいてすごいと思った。横泳ぎ以外は、初めて見る泳ぎ。水車の泳ぎは、水中で回っていた」と驚いた様子だった。
 なお、7月19日(火)は、6年生を対象に開かれる予定。8月7日(日)10:00から、東小樽海水浴場(船浜町)で、向井流水法会游法公開を実施。游法を海水客に公開する。
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