ウニやペンギンに興味津々! おたる水族館

 春の訪れとともに、おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)の通常営業が、3月19日(土)から始まった。
 特別展「Uni ~あんなウニ、こんなウニ~」と題して、ウニの生態や国内外のウニの展示も始まり、新規展示の「旬のおいしい槽~いのちのつながり」や、ペンギンの海まで散歩を昨年度より早めに開始して、より多くの来場者を満足させようと企画している。
0319otaruaqua1.jpg 初日の19日(土)、肌寒い陽気にも関わらず、多くの家族連れが来館し、通常営業のオープンを楽しんでいた。
 冬期閉鎖中だった海獣公園も春の開園が始まり、海に隣接する自然のプールで過ごすアザラシ達の愛くるしい姿や、6頭のトドが豪快に海にダイブする様子に歓声が湧き、4ヶ月ぶりに海獣公園の生き物やショーを楽しむ人で賑わった。
 昨年度は、5月30日開始のペンギンの海まで遠足を、春の開館時からスタートさせた。1日1回、13:30から20分ほど特設コースをペンギンが歩き遠足へ出かけた。
 コース上には足を守るために板が敷かれ、ペンギンの足跡が書かれた片道60mのコースを設けた。愛くるしいペンギンを見ようと大勢の人々がコースを取り囲んだ。
0319otaruaqua3.jpg 本日の参加者は、フンボルトペンギン12羽。飼育舎を出てヨチヨチと歩き出し、飼育員はペンギンにまつわる話を解説しながら、ペンギン達を海まで誘導した。その途中、立ち止まったりよそ見をしたり愛嬌を振りまきながら少しずつ前進。
 海に到着すると、次々と水中(水温6℃)に入り、魚を捕るために潜った。魚に辿りつけないペンギンのために、飼育員からイカナゴが投げ込まれた。
 このペンギン達は、同館や他の水族館で生まれ育ったものばかりで、国内では約1,500羽が飼育され、繁殖に成功した例が多い。4〜5kgの体重があり、1日に500gのイカナゴを食べている。無事に海から上がり、復路も元気に歩いて飼育舎に戻った。
 札幌在住の20代の学生は、「目の前をペンギンがヨチヨチ歩き可愛くて癒された。トドのショーも楽しみにしている」と話した。
0319otaruaqua2.jpg 海のパノラマ回遊水槽前に、「Uni~あんなウニ、こんなウニ~」の特別展が始まり、生態やと特徴、道内外や海外からのウニを紹介している。
 新館設立後、42年間続けられている「ウニの種苗生産」を動画とパネルで紹介。自然界でウニを採集し、殻を割り生殖巣を確認しオスとメスを選定。人口受精させ、受精を確認後、飼育ケースへ移動し、受精卵の卵分割を確認し成育を観察。毎年、育てたウニを放流している。
 生きたバフンウニやアカオニガゼ、ラッパウニ、エゾバフンウニやキタムラサキウニの殻を使ったランプも展示。生きたウニに触れたり移動実験もでき、来場者は、興味深くウニを観察していた。
 新規展示「旬のおいし槽~いのちのつながり~」は、本館1階淡水ガメエリアに開設。春の旬に合わせ、寿都産のホッケやクロガシラカレイ、スナガレイ、マガレイや、旬なのにあまり知られてない寿都産定置網直送のオニカジカ、ニジカジカ、オニシャチウオ、不思議な生き物の白いナマコなども展示している。また、寿都の漁師の漁の様子の動画も見ることができる。今後、季節ごとに旬の生き物を変える予定。
 なお、ゴマフアザラシのモンコ(31歳)の妊娠が確認された。1985年に網走で保護され、2011年に初産を経験し、2度目の出産となる。
 おたる水族館HP
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