上林副市長効果!! 参与退任と新教育長人事


 森井秀明市長(43)の下、迷走を続けていた小樽市政が、ようやく市長就任10ヶ月を経過して、初めての予算編成を済ませ、やっと実質的なスタートラインに立った。
 昨年4月の統一地方選で、5者(自民・公明・民主・連合小樽・小樽商工会議所)相乗りの現職・中松義治市長を破り、42歳の若い市長が誕生した。15,000票差の圧勝での就任だったが、初登庁の日から、公務より私用を優先し、「私のわがまま」と居直った発言で、その前途に不安が広がった。関連記事
 しかも、就任1ヶ月の6月1日付けで、ここ数年でもなかった市職員の大規模人事異動を行ったが、これまでの異動規定を無視したやり方に、職員から不満の声が上がり、中には、次長や課長が降格人事をあえて選ぶという事態を招き、職員からそっぽを向かれる要因のひとつともなった。
 また、副市長や参与の選任では、森井市長の手法が大いに問われた。選挙時に5者相乗りのしがらみでの市幹部の選挙違反を攻撃していた本人が、その当事者であった元部長を副市長に選任提案し、市議会からの反発で否決された。関連記事
 さらに、自らの後援会幹部を参与として任用を求めたが、除雪問題を担当させる本人が市内の除雪業者に就職していたこともあり、露骨な論功行賞だと反発を招き、参与人事も否決された。関連記事
 この間の市長の”わがままな”議会対応が、さらに議会とのあつれきを招き、市議会は空転・紛糾を続け、森井市政は、スタートから大きくつまずき、その前途に不透明感が広がっていた。
0216hayashi.jpg 行政経験のない市長にとって、女房役の副市長の選任がどうしても必要だったが、12月議会に、上林猛教育長を充てる人事を提案。ようやく議会の同意を得て選任に至った。
 2月1日から就任した上林副市長効果が、早くも出始めている。市議会と揉めている参与任用では、森井市長は、参与の雇用継続を明言していたが、副市長と相談の上、3月31日での退任を決めた。
 さらに、教育長の後任に林秀樹・北海道立図書館長を、2月27日に任命する人事案件を議会に提案し、先議を求めている。この人事は道の教育庁に長年在籍していた上林副市長の教育人脈からのものであることが見て取れる。
 10ヶ月にもわたり迷走を続けていた森井市政に、副市長が就任した2月になってから、ようやく光が射し込んだ格好となった。
 上林副市長効果による、参与退任と新教育長人事だが、森井市長の前には、これまでの経緯から、まだまだ市議会の大きな壁が立ちはだかることになり、前途は不透明だ。
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