企画展「雪の研究者 中谷宇吉郎」 総合博物館 (2016/01/14)

 雪の研究者として名高い"中谷宇吉郎"の足跡をたどる企画展が、小樽市総合博物館(手宮1)本館2階企画展示室で開催中だ。

nakaya1.jpg 会場の中央には、耐震改修工事のため休館中の北海道大学総合博物館の中谷氏関連の展示物を借り、ロッカーや標本棚、門下生ゆかりの机などを並べ、中谷氏の研究室を復元している。

 中谷氏は、世界で初めて人工雪を作り、「雪は天からの手紙」と名言を残した科学者であり随筆家でもあった。また、油彩画や水墨画の作品を展示し多才な面も紹介している。

 中谷氏は、1900(明治33)年に石川県江沼郡片山津町(現加賀市)に生まれ、1922(大正11)年に東京大学理学部物理学科に入学。物理学者で随筆家の寺田寅彦の教えを受ける。

 1930(昭和5)年に北海道大学理学部助教授に赴任、1932(昭和7)年に雪の結晶の研究をはじめ、1936(昭和11)年に人工雪の製作に世界で初めて成功。低温科学に大きな業績を残した。その後、様々な研究を重ね、北大在任中61歳で死去。

nakaya2.jpg 会場には、中谷氏が雪の結晶を観察し撮影した当時の写真と、研究が進み、中谷氏が世界で初めて作った人工雪の結晶を撮影した写真も展示している。結晶を系統別に分類した原版や当時使用していた同一の可能性のある顕微鏡も紹介している。

 中谷氏が雪を分類し人工雪を作ったことで、雪を見ると上空の温度や湿度など、雪の全体像が解り、「雪は天からの手紙」と名言を残した。この言葉は、国語の教科書に掲載されたこともあった。

 横軸に温度、縦軸に水蒸気過飽和度をとり、雪の結晶の形との関連をグラフにした「中谷ダイアグラム」を発表し、上空の気象条件を降りてきた雪から読み取ることができるようになった。

 他にも、北海道の線路の凍上のメカニズムを解明し、農業に物理を取り入れることにより生産効率を上げるなど、人々に役立つ研究を積極的に行った。

 油絵や水墨画、随筆集、身近な話題や自然現象をまとめた著書など数多くあり、中谷氏の柔らかい言葉で書かれた児童向け絵本の「浦島太郎」も出版されている。

 同企画展には、北海学園大学の実習生も携わり、フライヤーのデザインや、学生達が中谷氏の功績から感じとったものを展示している。

nakaya3.jpg その中には、戦時研究に関わり、ニセコ山頂で航空機も持ち込み雪の着氷を調べ、その研究資料が残されている。「自然の本質を明らかにすること自体に善悪はなく、いつか人のくらしを良くする」と言葉を残し、その研究がのちに生かされている。

 他にもグリーンランドへ氷河研究に出かけるなど「新しい土地には、新しい現象がある」との名言も残している。

 北大には中谷氏の功績を湛え「人工雪誕生の地」の記念碑が建立され、中谷氏の残した研究をベースに門下生らが研究を続けている。

 中谷氏とゆかりのある教授から教わり、自らも日本雪氷学会に所属する研究者の同館・大鐘卓哉学芸員が企画展を担当、「雪の研究者の中谷氏の功績を多くの人に知ってもらいたい。この機会に足を運んでもらいたい」と話した。

 企画展「雪の研究者 中谷宇吉郎」〜4月10日(日)9:30〜17:00
 小樽市総合博物館(手宮1)本館2階・企画展示室 火曜日休館
 入館料:一般300円、高校生・市内在住70才以上150円、中学生以下無料

 関連事業
 ●きりえで雪をつくろう
 1月16日(土)・17日(日)11:00〜12:00・14:00〜15:00・材料費20円

 ●全天周映像番組「Snowflake~雪は天からの手紙~」
 2月5日(金)〜14日(日)11:00(土日祝)・13:30・16:00

 企画展「雪の研究者・中谷宇吉郎」

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