商人が使う"印"を探る! ミュージアムラウンジ (2015/11/03)

 小樽市総合博物館(手宮1・石川直章館長)は、11月3日(火・文化の日)10:00から、本館・研修室で、ミュージアムラウンジ「小樽の商人たちの印」と題して、開催中の企画展小樽における商人たちの活動実態を示す歴史や資料を展示する「商人(あきんど)たちの小樽」に関連した講演会を開いた。

 「印(しるし)」をテーマに、ルールや意味、使用例や目的、小樽に現存する「印」について、調査した範囲で紹介した。

 会場には、印について関心を持つ市民ら60名が詰めかけ、メモを取りながら「印」についての知識を深めていた。

museumlounge2.jpg 今回の講演者は、小樽総合博物館ボランティアの竹内勝治さん。初代博物館館長の提案により、歴史文化調査会の一員として、2003年頃から、小樽の商人たちが使用する倉庫や商家に刻印された「印」について調査を続け、当館の紀要には5回ほど調査報告を執筆している。「屋号」ではなく、「印」と訂正する竹内さんの話を聞いたことがある人も多い。

 かつて北海道の経済の中心だった明治中期から大正まで、商店や問屋が活況で、25の銀行があり、まさに印全盛時代だった。

 商人同士が印で呼び合っていたが、その時に使われていた「印」が分からなくなったと、調査を開始。博物館の紀要で発表するため、内容を詳しく調査し、それに基づいてギャラリートークが行われた。

 はじめに、「屋号」と「印」とは別のものであることの理解を求めた。「屋号」は、姓以外の通称や商店の商業上の名、歌舞伎役者などの称号で、「印」とは、古事類苑によると、マークのことで、家紋や家印、記章。

 使用目的は、人と自分のものを区別するために、石造倉庫や看板、のれん、そろばん、おぼん、傘などに使われ、同じ「印」が使われることもあり、数は無数にあった。

 ルーツは、戦国時代に自分の大将の所在を明確にするために旗印や馬印に使われた。また、源平合戦(1156-1185)の源氏の白旗・平家の赤旗に始まる説もある。

museumlounge1.jpg 江戸時代中期(1720年頃)には、商店の「印」として使用され、火消しが使用する纏(まとい)に「印」が使われている。

 家紋にも「印」に繋がるものが多く、家のシンボルを示しデザイン化され、平安時代中期から末期には、牛車や装飾品の目印として使われ、家のマークではなく、その後、家紋として定着したと言われるが、家紋から転化した説には異論も多い。

 「印」のつくり方は、自由で決まりなどはなく、姓名から1字を取るものが多く、暖簾分けに、会社の方針や、中には、占いで決めたものもあった。業種的には、商人や漁業者が多く、農家には不思議と見当たらなかった。

 調査する中で、竹内さんの先祖の墓にも付けられ、市内桃内の墓地には、130基のうち27基に「印」があった。

 主な「印」の記号の意味について説明した。□(カク・ナカ)は堅く真面目、○(マル)はお金・和・満ち足りる、△(ウロコ)は魚屋に多い。これらの利用には、創業者の意図が盛り込まれて作られたと思われ、現在使用している人でも、使用目的や意図は不明確。

小樽の商人の「印」の使われ方について、1925(大正14)年の電話帳には、商店名の上に記載され、商工会員名簿に使用。明治の末の地図にも色内通りにずらりと「印」が並んでいる。

 田中酒造では、創業者田中市太郎の「イ」や、来樽して最初に勤めた所に「イ」が付いていたという説もあり、栗原かまぼこ店やナトリ株式会社などの使用例も挙げて説明した。

museumlounge3.jpg 中でも、澁澤倉庫に使用される立鼓「印」は「おびりうご」と呼ばれ、1930(昭和5)年5月の役員会では、「りうご」と称することとなっているが、来場者の話からも、食い違いが生じ、未だ、不明確な点が多いことが伺える。

 現在の使用者も由来や意味が不明なものが多いが、小樽市では、約420個(平成25年12月現在)の印があることが分かった。

 内訳は、色内87個・稲穂58個・花園36個・入船26個・堺町18個・錦町15個で、これらは、商業で栄えた地域で、大正・昭和に比べると明治時代に多少多く、昭和の市場では、6市場に47個の「印」が見つかっている。

 竹内さんは、「今後も、印についてのルーツを深く調べていきたい」と話し、1時間半に渡る講演に、聴講者から大きな拍手が贈られた。

次回12月のミュージアムラウンジは、同館に展示中の国産の名車「スバル360cc」について、同館・伊藤公裕指導員が講師を務める。

 企画展「商人(あきんど)たちの小樽」11月29日(日)まで、本館・企画展示室。

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