小樽朗読友の会・大塚稜子さん 全国表彰


 視覚障害者のために朗読録音の奉仕活動者を顕彰する、「第45回記念朗読録音奉仕者感謝の集い」(東京都千代田区)が、9月25日(金)に開かれた。
 校正奉仕者全国表彰者2名のうち、小樽朗読友の会所属の大塚稜子さんが選ばれ、所属団体や録音図書により情報を提供している、小樽市点字図書館(武田匡弘館長)関係者は喜んでいる。
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 ともに推薦された校正書は、第24回伊藤整文学賞受賞作品「冬の旅」(辻原登)を録音図書にしたもので、400ページの長編で音声に吹き替えると10時間以上になった。
 大塚さんは、同会に30年以上ボランティアとして携わり、音訳指導員の資格を持ち、小樽の校正部門立ち上げ時から精力的に取り組み、同団体の会長を7年間務め、後輩の指導にも熱心。
 校正する作業では、21年間で総校正時間が約4,914時間、校正した図書数は547タイトルにも及び、小樽市点字図書館の録音図書の製作に協力してきた。
 また、大塚さんの校正は、音訳者に理解しやすい表現に配慮し、とても分かりやすいと定評で、時代小説など、若い校正者が苦手とする所を、豊富な経験と精力的な調査で、会員からの音訳事前調査の相談も受けている。
kouseihoushi1.jpg 大塚さんは、本を読むのが好きなこともあり、正しい発音で文脈がしっかり伝わるよう、演技のない読み方で、ブレスのヶ所などを加味して校正しているという。
 平成11年に校正奉仕者地区表彰を、平成18年には朗読録音奉仕者全国表彰も受けている。
 10月30日(金)、その報告に、市役所(花園2)市長室を訪問した。森井市長は、「末永く続けてもらい、後継者育成に向けて頑張ってもらいたい。改めて、目の不自由な方々へ、録音図書についてPRしたい」と話した。
 大塚さんは「小樽朗読友の会としても大きな賞をいただいており、今回は、校正の地味な部門に光が当たり良かったと思った。和気あいあいと、整った環境のスタジオで活動し、良い録音図書を作るよう勉強し合い、認められ嬉しい。視覚障害者の方も、録音図書について知らない方が多いので、ぜひ知ってもらいたい」と喜びを語った。なお、広報おたるも音声で聞くことができる。
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