縄文のこころ絶やすまじ! 多彩な催しに集う

 おたる縄文の集い「縄文のこころ絶やすまじ」と題して縄文時代に思い馳せる催しが、8月22(土)・23日(日)の2日間、小樽運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで、北の縄文道民会議・公益財団法人北海道文化財団が主催して開かれている。22日には、約100名が集まった。
joumontsudoi1.jpg 8月8日(土)に余市フゴッペ海岸で野焼きした、幼児から大人までの野焼き作品80点を展示する「野焼き縄文土器展」と、おたる縄文の会・原子修代表(詩人・札幌大学名誉教授)が創作演出する、本邦初公開「縄文詩劇”幼花”」の上演と、縄文楽器を奏でる多彩なアーティストのステージで、縄文ムードを高めた。「野焼縄文土器展」は、今回で18回目となる。
 小樽市総合博物館・石川直章館長による「小樽から考える縄文」の講演会など、来場者は、縄文時代に思いを馳せ、自然と密着し価値を創造する縄文の心に触れた。
joumontsudoi2.jpg 小樽縄文人の会の前田隆護代表(おたる縄文の集いの会事務局長)が、工房で指導する幼児から大人まで24名の作品は、縄文土器に則り再現したものや、猫をモチーフしたもの、縄文模様をあしらった土器や器など生き生きとした作品が並んだ。
 前田代表はシャーマンのお面5点、金久保兵士郎氏の縄文土器を描いた絵画2点や、よいち縄文土器祭りで、中村小太郎賞に選ばれた宮原かおるさんと森畑恵美子さんの作品も展示されている。
 前田事務局長は、「子どもの頃から、改めて縄文時代を認識し受け継ぎ、縄文人の暮らしや生き方を学びとってもらいたい。今後も継続して実施できれば」と話した。
joumontsudoi3.jpg 14:00からステージで催しが始まり、詩劇に先立ち、原子氏作詞の「創世の川」の朗読や、本日上演の「幼花」に出てくる山の守護神である天狗を想定した”縄文てんぐ”について語り、縄文のこころについての講演があった。
 その中で、縄文のこころについて、大自然の理(ことわり)に従い、資源やひとりひとりの暮らしを大切にするなど、縄文哲学を語り、「コミュニティこそ、縄文のこころが溢れ、どう未来に繋げるかが今後の問題となる。縄文の伝統は偉大であり、縄文の豊かなこころと新しい知恵を縄文人から学び、世界へ発信することが夢である」と訴えた。
 詩劇では、縄文てんぐや現代に生きる女性が登場し、縄文琴や縄文風土笛・縄文太鼓・口琴・縄文ホルンなど、縄文芸術家集団JAMのメンバーが演奏し、詩劇を引き立てた。
 23日(日)は、10:00から16:00まで野焼き縄文土器展が行われる。
 北の縄文道民会議
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