1日限りの高島越後盆踊り!最終日に優雅な舞い

 地域に密着した伝統文化「高島越後盆踊り」が、予定していた8月18日(火)・19日(水)は、連日の雨で中止となったが、最終日の20日(木)19:30から21:30まで、小樽高島公園(高島3)を会場に実施された。
 開催を待ち焦がれた約300人が集まり、独特の手足の動きの優雅な踊りを楽しみ、徐々に踊りの輪が広がった。
takashimaodori1.jpg 雨が上がった会場の中心部に櫓を建て、提灯や大漁旗を吊るし、盆踊り会場が出来上がった。笛や太鼓の生演奏や盆歌に合わせ、艶やかな独特の舞いの輪がいくつもでき、盛り上がりを見せた。
 2001(平成13)年には、同踊りを小樽市指定無形民俗文化財に指定。新潟県北蒲原群紫雲寺町が発祥の地といわれ、明治の初期にこの地に移り住んだ人たちが、お盆になると先祖の眠る故郷に思いをはせながら踊ったのが始まりとされている。この踊りは、踊りと囃子に2つの形態があり、これらを交互に連続して行なうのが特徴。歌は労働歌を中心に、約190もの歌詞がある。
 1979(昭和54)年に発足した高島越後盆踊り保存会(長谷川洪徳会長)が中心となり、現在会員は130名(平均年齢65歳)で、高島地区の会員は全体の4割を占める。
takashimaodori2.jpg 櫓の上から生歌と笛や太鼓の生演奏を響かせた。今回は、越後踊りが生まれた本家本元の新潟県北蒲原郡紫雲寺町藤塚浜「千鳥会」の会長が太鼓を演奏。毎年参加する古平正調越後盆踊り保存会の15名は、饅頭笠を被り、黄色と青の揃いの浴衣で、20:00から21:00まで踊りに合流した。
 参加した女性は、「毎年参加している。楽しかった。若い人も参加して続けてもらいたい。古平の地域イベントなどで踊っている」と話した。
 一方、高島越後盆踊り保存会のメンバーは、70から80名ほどが参加。花編笠を被り、千鳥の絵があしらわれた揃いの浴衣姿でしなやかに踊り、見物客を楽しませた。
takashimaodori3.jpg 子どもの頃から体で覚えている住民は、笛や太鼓の音色を聞くだけで、体が自然に動くという。踊りに馴染みのない参加者は、同保存会会員の踊りを手本に、見よう見まねで踊りの輪に入り、難しい手足の動きを覚えながら、曲に合わせて踊り、晩夏の夜のひとときを楽しんだ。
 同会・西島光夫事務局長は、「何十年も続けていると雨になることもある。最終日は、雨でも高島会館で行うよう予定していた。最近の踊り方は、以前より優雅さがあるように感じる。地元の企業や金融機関などの人も参加し、大勢の人が集まった」と話した。
 同会は、貴賓館の牡丹まつりなど様々なイベントで、年間10回ほど披露している。8月末、レンガ横丁でのイベントにも参加を予定している。
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