小樽の消防士2名 ロープ応用登はんで全国大会へ!

 小樽市消防本部は、消防士の田中康二郎さん(23)と楢崎哲さん(23)の2名が、8月29日(土)に神戸市(兵庫県)で開催の救助隊員の甲子園と呼ばれる「全国消防救助技術大会」の、陸上の部・連携訓練(団体種目)のロープを登るタイムを競う「ロープ応用登はん」の出場を決めた。
 小樽市では、2006(平成18)年に全道消防救助技術訓練指導会へ出場後、9年ぶりとなり、全国大会へは、2003(平成15)年に出場後、12年ぶりとなる。
otarufire2.jpg 8月20日(木)10:30から、市民消防防災研修センター(天神2)で、訓練の様子を公開。塔上から垂らされたロープを15m登る訓練で、2人の息の合ったタイミングでスタート。足をロープに固定させながら、素早く登る姿は圧巻。その様子をビデオで撮影し、反省点を見つけ、指導教官からのアドバイスと合わせ競技に活かしている。
 7月18日(土)、札幌市で開かれた第44回全道消防救助技術訓練指導会で、ロープ応用登はんの部に出場した。全道各地から16チームが出場。
 ロープ応用登はんとは、登はん者と補助者2名が組になり、器材を使用せずに、吊るされたロープを15m登りタイムを競う訓練競技。登はん者には、身長175cm・61kgの身軽な田中さんが、補助者に身長178cmで83kgのどっしりと安定感のある楢崎さんが務めた。標準所要時間16秒を、9秒5の自己ベストタイムを記録し、大差をつけて優勝、全国大会への出場を決めた。さらに、減点がなく「知事賞」を受賞した。
 同全国大会は、1972(昭和47)年に東京で開催されたのが始まりで、救助隊員の甲子園とも呼ばれ、出場するためには、事前に地区指導会に挑み、技術を鍛え、訓練を積み重ねる。
otarufire1.jpg 全国大会では、救助のスペシャリストが1,000人ほど出場し、陸上の部と水上の部各8種目あり、熱い戦いを繰り広げる。陸上の部の「ロープ応用登はん」には、50チーム100人が出場し、しのぎを削る。
 予防課教養訓練係・中川朋治係長は、「2人はセンスもあり、本番に実力を発揮できる精神力も強い。全国でもトップ10に入ってもらえればと思う」と期待を寄せている。
 田中さんと楢崎さんは、若手職員育成研修の一環の救助訓練として、ロープの取り扱いや、チームワークの構築などを目的に、大会出場に向けて5月11日から訓練を開始した。
 田中さんは、札幌市出身で、小さい頃母親を亡くし、人の命に関わる仕事に就こうと消防士になり5年目。筋トレを中心に行い、毎日けんすいを100回、上半身を鍛えている。楢崎さんも札幌市出身で、流行った漫画の消防士に憧れ、消防士になり4年目。足腰を鍛えるためにスクワットを中心に行い、登はん者を遠くへ持ち上げるために鍛えている。スタート時が重要で、お互いのタイミングを合わせた動作が勝利の鍵を握る。
 田中さんは、「全国の壁は厚いけれど、自分たちのベストを出し、それに結果がついてくればと思う。一緒に、訓練をしてもらった先輩に感謝の気持ちを忘れずに、全国大会で頑張りたい」と話し、楢崎さんは、「警備隊から救助隊で訓練をさせてもらい、先輩にカバーしてもらっている。日中の訓練に付き合ってもらい感謝を忘れずに、良い結果を残し、良い報告をしたい」と話した。
 田中さんと楢崎さんは、28日(金)に出発を予定している。
 全国消防救助技術大会
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