祝津にも春到来! 小樽市鰊御殿が営業開始


nishingoten1.jpg 祝津の高台に建つ「小樽市鰊御殿」(祝津3・株式会社小樽水族館公社指定管理)が、春の訪れとともに、今年度の営業をスタートさせた。
 同施設は、祝津の観光スポットとして年間約2万人が訪れている。昨年の11月23日(勤労感謝の日)を最後に冬期閉鎖中だったが、雪解けも進み、春の訪れとともに、4月4日(土)9:00から、今年度の営業を開始した。
 関係者は、雪割り作業が大変だった昨年に比べ、今年はすでに雪も溶けていて、4月1日(水)から始めたオープン準備がスムーズに進んだ。
nishingoten2.jpg オープン初日の4日(土)も、穏やかな春の日差しが振り注ぐ好天となり、好スタートを切った。入場者を対象に鰊の三平汁を、4日・5日の2日間限定で、11:00から各日50食が振舞われる。
 三平汁は、塩出した糠にしんを使い、じゃがいも・大根・人参・長ネギが入った汁物で、来館者は、思いがけないサービスに、心も体も温まった。
 鰊御殿は、1897(明治30)年に鰊漁で栄華を極めた初代田中家当主・田中福松が西積丹の泊村に建てたもので、1958(昭和33)年に1カ月がかりで解体し、トラック50台で現在の位置に移築した。
nishingoten4.jpg 建物は、一切釘を使用せず、継ぎ目のない長い木材を使用していたため、その頃の道路状況により夜間に搬送した。復元には50日を要し、延べ2,000人が動員され、現在の地にその姿が甦った。
 1960(昭和35)年には、本道の民家で初めて「北海道有形文化財鰊漁場建築」として指定された。建物は北海道の木材が主で、特に梁については、当時も探し出すのに苦労したといわれた北海道の広葉樹タモ材が、ふんだんに使用されている。
 玄関正面のケースには、北前船の模型が展示され、今年度から、全幅約8mもの「鰊盛業屏風」の展示を始めた。
 小樽市総合博物館運河館に展示されているものを復元したもので、久保田金僊(くぼたきんせん1875-1954)が、1903(明治36)年に、留萌管内小平町の花田漁場での鰊漁の様子を描いたもので、当時、最盛期だった鰊漁の様子が描かれている。
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 その他、漁具や貴重な資料を展示し、仕事の時に着た袢纏を無料で着用することもできるコーナーもあり、当時に思いを馳せながら楽しめる。
 札幌在住の野原聖督さんは、「何度も鰊御殿へは来ているが、三平汁を食べたのは初めてで美味しかった。御殿内は雰囲気があって良い」と話した。
 株式会社小樽水族館公社・本間宏信取締役総務部長は、「観光シーズン到来となり、鰊御殿もオープンし、祝津界隈を盛り上げ、沢山の方々に来ていただきたい」と話した。
 小樽市鰊御殿(祝津3)
 4月4日(土)〜11月23日(月・祝)9:00〜17:00(10月16日〜16:00)
 入館料:大人300円、高校生・市内在住の70歳以上150円、中学生以下無料
 問合せ:0134-22-1038

 

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