魚・魚・魚がお出迎え!水族館通常営業始まる

 おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)は、3月21日(土・祝)から、11月29日(日)までの通常営業を始めた。
0321aqua1.jpg 開館を祝うセレモニーが、21日(土)9:00から、正面玄関前で行われた。同館マスコットキャラクターのペン太や職員、開館を心待ちにしていた子ども達と一緒に、くす玉を割って祝った。子ども達へはプレゼントが配られた。
 開館に併せ、平成27(2015)年度特別展「深海」を開催。深海について、パネルや映像で詳しく解説し、模型や写真パネル、生体や標本がずらりと展示され、子どもから大人まで楽しめる企画となっている。
 中でも一番の目玉は、深海のテーマに欠かすことのできない有人潜水調査船「しんかい6500」の存在で、会場には、1/2模型を展示。独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)から、6月中旬までの期間限定で借用している。
 同船は、日本で唯一深い海を潜水する有人調査船。1989年に神戸の造船所で完成した。活動範囲は、日本近海だけではなく、太平洋やインド洋など、これまでに通算約1,400回もの潜航を行っている(2014年11月現在)。
0321aqua2.jpg 会場では、同船が実際に潜水した8つの深海底の様子も映像で紹介し、同船の実物の観察窓を展示。そこを覗くと、深海の映像が見え、臨場感を体験。
 水圧の凄さと変化が分かる展示では、深さ0〜100m・200m~3,000m・8,000m・10,000mの発泡スチロール容器の変化が見られ、マッコウクジラの鳴音とともに、神秘的な深海での音をヘッドホーンで体験できる。
 深海の生物の展示では、生体展示のオキナエビ・オオズワイガニ・ミドリフサアンコウ・サギフエなど、標本展示では、ミツマタヤリウオ・ラクダアンコウ・ニュウドウカジカ・メンダコなど、珍魚に出会える。
 通常営業を待ちわびた親子連れが続々と訪れ、深い海に生きる珍しい生物などを間近に見て、パネルの解説に目を通しながら楽しんでいた。
 また、妊娠が確認されたネズミイルカの「アツコ」の様子を、ライブカメラで放映したり、触って体験できるタッチングエリアは、地元・でかい・冷たい・深いの水槽に分れており、多くの来館者が興味を示した。深海に生きるオオグソクムシは、ダンゴムシを巨大にしたような姿と奇妙な動きに、注目を集めていた。
0321aqua3.jpg ショータイムのトップバッターを飾るイルカスタジアムでは、大勢の観客が集まり、ショーを楽しんだ。キッスが得意なセイウチや賢いオタリア、豪快なジャンプのイルカが登場し、観客らは、大きな拍手を贈り歓声を上げていた。
 海獣公園のアザラシショーでは、2013年4月に同館前浜で保護されたゴマフアザラシの「マコ」(2歳)とトレーナーの高橋徹飼育課係長が、11:20のショーに登場し、デビューを果たした。
 札幌在住の星宏明さんは、「深海はテレビで見ただけだが、光も届かない怖いイメージだった。水族館へは毎年1度は訪れている。ゆっくり泳いでいる魚やかわいい魚に癒される」と話した。
 伊勢館長は、「ゴマフアザラシや冬のトド、ニシンなど身近な自然環境を知っている人が少なく、身近な海に関わる環境を伝えきれていない現状を踏まえ、今後、力を入れて伝えていきたい。開館41年の節目を超え、今までとは違う取り組みや展示、伝え方ができればと思う」と話した。
 おたる水族館
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