ITパスポート試験・4名合格 ! 小樽商業高校


 小樽商業高等学校(緑3・新山俊彦校長)は、平成26年12月から平成27年2月にかけて実施された、産業通産省認定の国家資格「情報処理技術者試験・ITパスポート試験」に、同校・情報処理科3年生の永井歌織さん・萩原大地君・小林亮介君・永山武大君の4名が合格を果たした。高校生活の集大成として試験に挑み、情報処理の国家資格を取得した。
 同試験の受験状況は、平成26年4月から平成27年1月まで、社会人30,841名・学生22,714名の計53,555名が受験している。その内、合格者は、社会人18,092名(58.7%)、学生8,036名(35.4%)、高校生は7,985名が受験し、2,118名(26.5%)が合格した。
 同校・情報処理科では、情報処理技術者試験に挑戦する取り組みを、平成17年度から始め、今年で10年目となる。当時は、SAD(初級システムアドミニストレータ)の受験に取り組み、平成21年度から、この試験の一部を後継したITパスポート試験に変わり、受験を継続してきた。
0224ITpassport.jpg コンピュータ部の部員もITパスポート試験の合格や大会出場を目標に勉強を続け、合格者を輩出し、大会での好成績を残している。
 昨年度は、部員以外の3名が合格し、授業の一環としての受験で合格者が出たのは、3年ぶりとなった。今年度も、3年生が4月からの課題研究の授業の中で、ITパスポート受験に向けて勉強に励んできた。
 経済産業省が主催する「ITパスポート試験」は、2009(平成21)年の春から開催され、IT技術者としての知識やスキルの習得度合いを認定する国家資格。
 コンピュータシステムやサーバに関する知識が求められ、パソコン技術を問う試験ではなく、情報処理技術を問う試験となる。昨年度から、CBT(Computer Based Testing:試験に関するすべてのプロセスをコンピュータ化している)の試験形式で、100問を165分間で解き、正解率60%以上で合格となる。
 この試験に合格すると、IT社会で働く上で必要となるITの基礎知識を習得していることを証明する国家資格を得たことになる。
 同校情報処理科担当・奥原祥教諭によると、「年々、問題は難易度を増し、新しい分野が次々と入ってくるなど、出題も広範囲となる。200時間の勉強が目安と言われるが、社会人で実務経験がある場合で、高校生は実務経験がないため、かなりの難関だ」という。
 合格した生徒達は、奥原教諭に対して、「授業も厳しく、課題も多く、家庭での学習も大変だったが、的確な指導と厳しさが合格へ導いた」と感謝していた。
 永山君は、「ここ半年間は、死に物狂いで勉強を頑張り、合格できて良かった。自分も頑張ったけど奥原先生の指導力もあった。情報処理科の高校へ来て良かった」。
 萩原君は、「計算問題が苦手だったが、家庭学習に時間を取り頑張った。自信はなかったが、合格できて嬉しかった。今後、資格の勉強を続けていきたい」。
 小林君は、「パソコンが好きで、この学校へ入学した。まだ、上の資格を取らなければならない。将来は、大手に入社できれば」。
 永井さんは、「テストが近づくと、1日3~4時間勉強し、用語の理解と暗記を重点的に行った。試験では、緊張したが合格できて驚いた。家族も良くやったと褒めてくれた。ITパスポートの勉強法でコツを掴んだので、歯科技工士の専門学校へ進学後も、国家資格に挑戦したい」とそれぞれに喜びを語った。
 永山君と萩原君は北海道情報専門学校へ、小林君は九州情報大学へ、永井さんは歯科技工士の専門学校へ、それぞれ進学が決まっている。
 奥原教諭は、「同校では、ITパスポート試験は珍しくなくなったが、簡単に合格できる資格ではない。努力の結果であり大切にしたい。後輩への励みになると思う。これから辛いことが沢山あると思うが、この試験を通じて、乗り越えた経験や自信を活かしてくれればと思う。明確な目標を持っていたから、頑張れたと思う」と話した。
 情報処理技術者試験
 北海道小樽商業高等学校
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