2月20日の命日に偲ぶ 没後82年・多喜二祭


 小樽が生んだ日本プロレタリア文学の代表的作家・小林多喜二を偲ぶ会「多喜二祭」が、82回目の命日の2月20日(金)に、墓前祭と構成劇・講演会が開かれる。
 小樽多喜二祭実行委員会(寺井勝夫実行委員長)が主催し、1988年に始まり、その後、命日の2月20日に毎年開かれ、今年で28回目となる。
takijisaipr.jpg 13:30からの墓前祭は、JR小樽駅前バス乗り場から、12:45に貸切バス(往復400円)が出発。多喜二が父親のために建てたと言われる奥沢墓地内の墓前で開かれる。同実行委員らが前日に、雪深い墓地の除雪を行い、道がつけられ、毎年100名ほどが全国各地から参加し、赤いカーネーションを献花し、多喜二を偲ぶ。
 その夜、18:30から小樽市民センター(色内2)マリンホールで、構成劇と講演会の催しが開かれる。構成劇は、多喜二原作の「東倶知安行」を同会メンバーでもある大地巌氏が脚本・演出。市民有志12〜13名が出演する市民が作る芝居で、朗読を軸に芝居を合わせ、上演時間は45分ほど。
 原作の「東倶知安行」は、1928年2月、多喜二が25歳の時、日本で初めて施行された第1回普通選挙が開かれ、立候補した山本懸蔵氏を、拓銀に勤めていたにも関わらず、応援演説に出かけ、社会変革のために身を投じた記録文学。
 大地氏は、「多喜二の作品の中で大きな位置づけとなる作品でもあり、ゆらいでいた時代で、劇を通じて、多喜二が人生を決めたことを伝えられればと思う。吹雪の中、ソリで東倶知安(現在の京極)へ行く迫力ある場面など役者の演技力の見せ所となる」と話した。
 文芸評論家の宮本阿伎氏が「多喜二の描いた女性像~格差・差別なき公平な世を~」と題して講演会が開かれる。
 宮本氏は、女性を様々な角度から探り、多喜二の女性像について語る。多喜二の生きた格差社会の中で、多喜二の女性への思いや女性問題を取り上げ、今もなお解決されていない共通点などに触れる。
 寺井実行委員長は、「小樽に大変関わりが深く、第2のふるさと小樽。雪が深い2月は、多喜二の月といっても良い。今年は、戦後70年の節目の年となり、多喜二が願う働く人の幸せや平和の問題など、催しへ参加して聞いていただければと思う」と、参加を呼びかけた。
 多喜二祭(構成劇と講演) 参加券1,500円・高校生以下1,000円
 チケット販売:小樽市民センター、市立小樽文学館
 問合せ:0134-32-8560 小林多喜二実行委員会(斎藤)
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