いじめ防止サミット 市内小中学生が協議


 小樽市教育委員会は、いじめ問題について協議する「小樽いじめ防止サミット」を、11月30日(日)10:00から、菁園中学校(花園5)1階多目的室で、市内の小中学生57名と保護者・教職員60人が参加して開いた。
ijimesummit1.jpg 11月は「いじめ防止強調月間」で、各学校では、数年前から活動を強化し、それぞれ独自にいじめ問題に取り組んでいる。
 平成24年と25年のいじめの実態を比較すると、全国的に減少傾向の中、インターネット上での誹謗中傷が増えていることや、平成26年4月22日開催の「全国学力・学習状況調査」のアンケート調査の中から、小樽の子ども達において、いじめへの捉え方や意識が全国と比較して若干低いこと、ゲームやメールをしている子どもの数が多いことが分かった。
 このような背景やアンケート結果を踏まえ、いじめを無くすために、学校ではどのような取り組みができるかを、小中学生の代表者が9つの班に分かれて意見交換した。
 協議に先立ち、上林猛教育長は、「いじめについて、子ども達とじっくり話し合い真剣に考える会を開き、いじめとは何かを考え、様々な意見を学校へ持ち帰り、子ども達に伝えてもらいたい。大人もこれを契機に考えてもらいたい」と話した。
ijimesummit2.jpg 北海道のいじめの数は、平成25年4月から26年3月まで、小学生では1,119件で、中学生では1,557件。いじめの内容で一番多い、ひやかし・からかう・脅す・嫌なことを言うが、小学生では、全体の70%を示している。平成24年度と25年度を比較すると、いじめは減少傾向にありながらも、インターネット上の誹謗中傷では、平成24年度3,700件、平成25年度は4,835件にも及んでいる。市内の小中学生は、全国と比べ、携帯電話等での通話やインターネットの利用時間が長い結果を示している。
 望洋台中学校でのいじめに対する取り組みも発表された。平成24年から生徒会が主体となって年2回、「望中いじめゼロフォーラム」を実施し、事前に「いじめゼロ会議」を開き検討している。いじめ防止を啓発する先輩が、自作したDVDを会場で上映した。いじめで不登校だった生徒が、学校へ来られるように支援する活動などを紹介した。
ijimesummit3.jpg その後、各班では、各校の取り組みについて付箋に書き込みながら話し合い、代表者によって発表された。その中で、「全校集会を開き、各クラスで目標を決め、標語を書いた」「悩みを聞くサポートグループを生徒会で作った」「インターネットでのトラブルについては、ネットパトロールや保護者と連携して対応する」など、様々な取り組みを報告した。
 各班の代表者9人が別室に集まり、市内小中学生へ呼びかけとなる言葉を考え、「各学校で話し合い、小樽全体から、いじめをなくしていこう」が発表された。2時間に及ぶ会議で得た他校の取り組みや知恵を、自分の学校へ持ち帰って話し合うことで、いじめ撲滅に期待を寄せ閉会した。
 潮見台中学校・生徒会長・山崎朝陽君(2年)は、「普段関わることのない他校の生徒と交流を通じ、自分では見られない視点から、いじめについて考えることができ、有意義な時間を過ごせた。また、機会があれば参加したい。この問題については、全校生徒で取り組みたい」と話した。