潮陵・商業・桜陽 演劇部 全道大会へ猛稽古


 12年ぶりに小樽で開催する「第64回全道高等学校演劇発表大会」が、11月12日(水)から17日(月)まで、小樽市民会館(花園5)で開かれる。同大会には、地区を代表する実力ある演劇部17校が出場する。
 11月6日(木)、発表会まで残すところ1週間を切り、支部予選を突破した潮陵・商業・桜陽高校の市内3校では、連日猛稽古が行われている。
 支部の代表を決める後志支部高等学校演劇発表会は、10月7日から9日まで小樽市民会館で開かれ、後志管内の8校が出場。全道大会出場をかけてしのぎを削り、その結果、同3校が選ばれた。
tyouryoutheater.jpg 小樽潮陵高校(潮見台2)は、2年ぶりに出場を果たし、同校併設の記念館で猛稽古が続いている。現在、部員12名(1年6名・2年4名・3年2名)。「7人の部長」(著者:越智優)の既成の台本を使用し、ある学校の部長7人集まって、足りない予算に不満をぶつけ、各部をアピールするコメディタッチの会話劇。
 全道大会では、多くの人に、特に中学生に観てもらい、未来の部員になってもらおうと演技に励んでいる。主役の久保菜々子さんは、支部予選の反省を「台詞を早く言いすぎてしまい、今回は、会話らしく言うよう気をつけたい」と話した。
 部長の玉村涼風さん(2年)は、「全道では、地区大会と同じ作品をもっと磨き上げた。賞が取れたら嬉しいと思うが、お客さんの心に響き、何か感じてもらえることが、私達の目指すもの」と意気込みを語った。
 同部佐々木真樹顧問は、「当番校の業務に追われ、部員も7人揃わなければ上手く練習ができない。ビデオを取りながらの練習となった」と話した。
syougyotheater.jpg 小樽商業高校(緑3)では、部室に残された盾や資料で、第29回(昭和54年)の出場以来、35年ぶりに全道大会出場を果たし、学校関係者を喜ばせている。小樽商業高校同窓会「尊商会」も、当日観劇するほど注目が集まっている。
 同校演劇部は、1〜3年8名の部員が所属し、同部鶴見充展顧問が創作した「七週間」を演じる。妹が運転する車に姉が助手席に…不思議な世界を舞台に物語が展開する。部室で通し稽古を中心に練習が行われている。支部予選での審査員のアドバイスを参考に、より観客に感動を与えようと役者の台詞を手直した。
 秋吉柚帆さん(1年)は、「怪我をしてしまったが、本番ではそれを感じさせないよう演技をがんばりたい」と、全道出場への気持ちを話し、部長の佐藤捺美さん(3年)は、「ひとつ上の賞をねらいたい」と話した。
 鶴見顧問は、「本番に強い持ち味を生かしてもらいたい。ステージ上では、役者が黙っている時間が長く、力量が問われるシーンも多い。乞うご期待」と話した。
ohyotheater.jpg 小樽桜陽高校(長橋3)は、昨年に続き、同大会出場決め、常連の実力校。同部は、16名(1年5名・2年5名・3年6名)の部員。脚本は、顧問の菊地美千教諭が創作した「gift」。高校演劇部を舞台に、3年生の進路や様々な問題を乗り越えて成長するストーリー。
 同大会では、支部予選では使われなかった大道具も新たに製作し、さらに楽しめる劇に工夫した。
 部長の熊倉玲奈さん(2年)は、「3年生とは最後となるので、悔いの残らないようにみんなで頑張り、楽しみたい。落ち着いて、役者になりきり、その場の役に全力を尽くしてもらいたい」と話した。
 受験勉強や入試間近など、3年生にとっては多忙な時期。主役の桂愛永さんは、本番の翌日に入試を控え、「主人公を演じる喜びと、受験の現実にもがいている。沢山の人に見てもらえることが糧となり、良い作品を作りたいと頑張っている最中」と話した。
 また、半月前に入部した伊名野航くんは、「3年間バレー部で、全道に行けず引退した。先生に誘われ、全道へ行きたい気持ちを演劇部にぶつけようと思い入部。できることを自分で見つけ、最高の舞台をサポートしたい。最初で最後の全道となった」と意欲を語った。
 福士涼さんは、「3年目にして、初めてメインキャストに抜擢。地区予選では、多くの方々から良かったと言われ、全道は、一番良い舞台にしたい」と話し、長愛結実さんは、「最後だと実感する中、受験勉強の大変さを、部活で忘れられ演劇が楽しい。ここまで、諦めないで続けて良かった。みんなと出場でき嬉しい」と話し、長内博司君は、「入部して3ヶ月。地区予選の舞台を踏み、良い役を与えてもらい感謝している。最後舞台となり、良い味を出せるようがんばりたい」と意気込みを語った。チラシや白衣のデザインを担当した阿部晴香さんは、美術のセンスを生かし様々な場面で活躍している。
 同大会日程は、12日リハーサル、13日リハーサルと交流、14日〜16日一般公開(無料)。17校が出場し、15日13:00から桜陽高校、16日10:00から商業高校、15:40から潮陵高校が出場する。17日は、成績発表・合評会が行われる。
 最優秀賞1校には、2015年に滋賀県で開催の全国大会(夏)への出場権、優秀賞3校の内1校には、3月開催の春季全国高等学校演劇フェスティバルへの出場権が与えられる。
 同大会は、それぞれの持ち味や若さを生かしたエネルギッシュな舞台となり、多くの観客の期待を集めている。
 全国高等学校演劇協議会
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