若き感性光る! 学生短歌コンクール


 市立小樽文学館(色内1・玉川薫館長)では、平成26年度学生短歌コンクールの表彰式を、11月1日(土)11:00から、同館1階研修室で開いた。入賞者17名の内12名が出席、玉川館長から賞状と記念品が手渡され、保護者や学校関係者らが祝福した。
 同コンクールは、今年で3回目。前回までは、市内の中高生を対象に募集していたが、今年度から、大学生を含め対象範囲を拡大し、学生ならではの短歌作品を募った。初回から予想以上の応募があり、今年度は429名・781首の作品応募があった。
tankaconcours2.jpg 原始林小樽支社・湯本竜代表、小樽啄木会・水口忠会長、小樽詩話会・高橋明子氏の3名が審査員を務めた。その結果、中学生・高校生・大学生それぞれ3首を入選、中高生それぞれ4首を佳作に選出した。
 表彰式で、玉川館長は、「短い応募期間にも関わらず、多くの作品が集まった。受賞者は、素晴らしい作品だが、781首の中で、かなり票が割れた。読ませてもらい、素晴らしい作品がいっぱい。短歌的というより、中高生や大学生の生活の中でふと過ったことが、見事に切り取られている。生き生きとした学校生活の中、辛いことも含めて、作品から目の前に情景が現れてくる。コンクールに、参加されなかった人たちにも、こんなに素晴らしい作品を見てもらいたい。今後継続して、同コンクールを発展させていきたい」と述べた。
 審査員を代表して湯本代表は、入賞作品を1首ずつ丁寧に講評し、学生ならではの恋心、郷土愛、友人への思いやり、素直な気持ちなどを表現していると感心し、「各学校での先生の教育の賜物。将来の歌人を産んでもらいたい。今日の栄誉を思い出し、今後短歌を詠み続けてもらいたい」と話した。
tankaconcours1.jpg 小樽工業高校では、初回から参加し、国語の授業の一環として短歌に取り組んでいる。今年も約150名が参加し、6名が入賞を果たした。
 国語を指導する寺本勤教諭は、1年生3クラス・3年生1クラスを担当し、「小樽は啄木とゆかりがあることを知ってもらい、授業の一環として参加。担当クラスのみんなを参加させた。作品から、どれも素直な気持ちや誠実さが感じられ、このような機会を与えてくださった文学館に感謝している」と話した。
 高校生の部佳作、「無意識に天気予報を探すのは自分の街の見慣れた漢字」の作品を詠んだ、小樽工業高校1年の河内隼也君は、「初めての参加で佳作となり嬉しい。天気予報を見た時に、小樽や後志を見てしまうことを短歌に詠んだ。自信にも繋がった。これからも、短歌を意識し、考えたりすると思う」と話し、高校生の部入選、「坂登りふりむいてみて息をつく登った分だけ美しく見え」の作品を詠んだ、同校1年佐々木聖人君は、「小樽は坂が多く、普段はバスで通っているが、たまに歩くことがあり、後ろを振り返った時に、頑張った分だけ綺麗に見え、努力すると結果が残ることと繋げ、短歌を詠んだ。入選し、びっくりした。今後の励みになった」と話した。
 応募作品781首は、今後、文学館で掲示される。「多くの方にその素晴らしさを実感してもらいたい」としている。
 小樽市立文学館〜学生短歌コンクール
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