写真から詠む一句! 『写真と俳句のコラボ展』


 写真から俳句を詠む「写真と俳句のコラボ展」が、10月26日(日)から31日(金)まで、北海道新聞小樽支社(稲穂2)1階おあしすで始まった。
 市内在住の粟野孝一さん(81)が撮影したカラー写真に、高谷あきこさん(74)が俳句を詠み、直筆の短冊を添えて展示され、写真と俳句のどちらも楽しめる作品展で注目を集めている。
photohaiku1.jpg 同コラボ展を企画した粟野さんは、北海道写真協会小樽支部に所属し、写真道展会友の実力者。写歴50年のベテランで、日々撮影を意識して過ごしている。
 80歳を過ぎ、人生の収穫期として、撮りためた写真に、俳句を詠んでもらい個展を開きたいという構想を2〜3年前から練り、俳句を詠む人を探していた。今回、粟野さんの同業者で社会保険労務士で市内在住の高谷さんにお願いし実現した。
 高谷さんは、仕事の傍ら、市内で俳句愛好家が集まる俳句「麦の会」の世話役を務め、俳句を詠んで10年。
 写真から俳句を詠んだのは、高谷さんにとっても初めてのこと。粟野さんが社会保険労務士の現役時代に、モノクロの写真をよく見せてもらっていて、素晴らしい写真を写す人との印象があった。
 粟野さんは、40年ほどモノクロ写真を専門に写してたが、最近では、デジタルカメラの普及に伴い、カラー写真を写すようになった。粟野さんは、生活感溢れる裏小路の人物や人間くさい人物を得意としている。
photohaiku2.jpg 市内や後志管内を中心に、ここ10年以内に撮影した中から気に入った作品35、6点を、高谷さんに渡し、俳句を詠んでもらった。季語をつけやすいように、何月に撮影したかを添えて渡した。
 受け取った高谷さんは、モノクロや風景からは俳句も詠みやすいが、カラーの人物はなかなか難しかったという。写真からイメージを膨らませ、1枚からいくつも俳句を詠んだ。夜中にふっと思いついたこともあった。写真から俳句を詠む面白さがあり、頭の体操になったという。俳句が完成し、粟野さんから「写真にぴったりだ」と言われ、一番の褒め言葉となったそうだ。
 会場には、A4サイズのカラー写真25点に画題を付けず、高谷さん直筆の短冊を添えて展示され、俳句が、写真の情景をより一層印象付けている。市内では珍しい作品展に、写真愛好家や俳句愛好家が興味深く鑑賞していた。
 粟野さんは、「会場に来て、気に入った写真を見て俳句も読んで、どちらも楽しんでもらいたい」とPRした。
 写真と俳句のコラボ展 10月26日(日)〜31日(金)10:00〜17:00
 北海道新聞小樽支社(稲穂2)1階おあしす 入場無料