長年にわたり大きな物議を呼んだ小樽市の新病院、小樽市立病院(若松1)がやっと完成し、12月1日の開院に先がけ、10月25日(土)10:00から、国・道・市議会議員、関係官庁、管内町村長、市内関係団体などを対象にした見学会が開かれた。
老朽化が進む2つの市立病院(市立小樽病院と小樽市立脳・循環器・こころの医療センター)を統合して、効率的で質の高い医療を提供しようと、2012(平成24)年9月に起工式を行い、2年間の工事期間を経て、このほどようやく小樽市立病院が完成した。
同病院は、延床面積3万335㎡、地上7階・地下1階の鉄筋コンクリート造・免震構造。内科・呼吸器科・消化器科・循環器科など21の診療科。病床数は、388床(一般302床・精神80床・結核4床・感染2床)となる。
見学会では、1階⇒7階⇒2階⇒地下1階⇒1階の順路で、特別室や最新システムを導入した手術室などを見学した。各コーナーには、病院関係者やメーカー担当者が待機し、説明に応じた。各機器の医療メーカー担当者からも詳しい説明を聞くことができた。
1階は、広々とした受付スペースで清潔感に溢れ、建物の中は、柿色を基調とし、明るさと温かさを出し、全診療科目の外来が設置されている。
各診察室には番号がつき、分かりやすくした。採血採尿検査室や内視鏡検査室、生理検査(エコー・心電図・脳波・聴力等)と放射線(一般撮影・CT・MRI等)の検査室を設置し、患者やスタッフの動線を考慮した。各検査室は、プライバシーや安全性にも配慮した個室となっている。また、救急車から直接ストレッチャーで患者を運ぶ救急外来もある。
3階〜7階が病棟で、見学会では7階を開放。各階に3室ずつある一等室(個室)では、トイレ・シャワー・長椅子(簡易ベットになる)を完備。4床室では、大きめの家具でプライバシーを守り、部屋と部屋の間の廊下にトイレを設置している。
海や山の景色が一望できる食堂は、病院職員と一般が利用可能な食堂(32席)があり、けんしんセンターでは、企業単位での健康診断にも対応でき、理容室もある。
2階には、ICU6床とリハビリテーション室、人口透析室(20床)がある。手術室は7室あり、その1つに、最新システムのハイブリッド手術室がある。開胸・開腹をせずに胸腹部大動脈の人工血管置換術などが可能となった。エックス線システムと手術台を組み合わせ、エックス線量を従来の80%低減している。
地下1階には、後志地区で初めて導入されるPET(がん検査)とCT(高精細画像)を合体させ、一度の検査でがんの位置を正確に見つけることができる。がんの診断で早期発見、がんの転移を見つけるのに役立つ。
放射線治療装置(リニアック)は、放射線を使用して腫瘍を切らずに治療する、がん治療の最新医療システムを導入した装置で、精度の高い治療が小樽でも可能となった。
今後、医療機器の設置や病院職員のトレーニングなど開院準備を行い、11月27日(木)から28日(金)には、外来診療を休止して移転を行い、12月1日に開院を予定している。
なお、10月26日(日)9:00〜16:00、一般市民向けの見学会が行われる。
◎小樽市病院局
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