1年間の成果を発表 「臨書と創作書道展」


rinsyosousaku3.jpg 臨書と創作書道展」が、8月20日(水)から24日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーを会場に行なわれている。
 臨書の「第38回硯池(けんち)会」と創作の「第32回呵凍(かとう)会」、創作小品の「第20回楽書展」を同時に開催。50代から90代までの29名の作品54点をずらりと展示。訪れた市民らは、それぞれの作品の持つ魅力を堪能していた。作品のサイズも様々で、半切が多い中、全紙や胴切、連落ち(れんおち)などの画仙紙に書かれ、額装し見事な作品が並んでいる。
 会長の秋山真魚氏をはじめ、小樽商業高校書道教師だった長谷川東邦氏の弟子達が教室で指導する人とそこで学ぶ人、独自で学ぶ人、札幌で開かれるサークルメンバーなどが、1年間勉強した成果を発表している。秋山会長も、自宅で月3回土曜日の午後3時間教室を開いている。
rinsyosousaku1.jpg 臨書は、中国では唐以前、日本では平安時代よりも前の先人などが残した甲骨文や銅器に刻まれた文字(金文)や石に刻まれた文字(石鼓文)、経・手紙などを手本にした法帖(ほうじょう)や石碑などを手本にした拓本(たくほん)を参考にまねて練習し、筆の流れや、線のつながりなど自分にない表現を身につけ学びとるもの。
 また、創作書道は、墨の色や字の配置など様々な書き方があり、文字は漢詩から選び、書体を決め作品を作る。
 漢字には、楷書(かいしょ)、行書(ぎょうしょ)、草書(そうしょ)、隷書(れいしょ)、篆書(てんしょ)の5つの書体がある。これを学ぶことが本来の書道の基本となる。
 出展者はベテランが多い印象だが、オーストラリア人の舞礼伝・ハブラウさんは、習い初めて数ヶ月で、見事な「笑」を書き初出展。額装した作品を見て、大変感激したという。
rinsyosousaku2.jpg 秋山会長は、「様々なものを学び、上手な字を書こうと努力している。自分達の勉強の成果を発表し、批評をもらいながら成長する。会場には大小様々な作品が展示され、字もいろいろな書体を使い、古い法帖で学んだ成果を発表。バラエティーに富み楽しい作品が多い。家庭でも飾って楽しめるような作品を見て、学ぶ人が増えてくれればと思う。今後、文字というより作品として見方を変えて、誰もが分かるものを発表していきたい」と話した。
 札幌で学ぶ女性達は、「展示された自分の作品を見て、改めて課題が見えてくる。子育ても終わり、日常生活でプレッシャーを与え、作品づくりに励んでいる。臨書を習い、筆の運びが丁寧になり、いろいろな書の見方が分かるようになり、自分の作品への注意を踏まえて作品を見ることができるようになった。良き指導者に出会い影響され、展示会へ興味を持ち、見ることも楽しみとなった。これからも趣味として楽しみたい」と話した。
 臨書と創作書道展 8月20日(水)~24日(日)10:00~17:00
 市立小樽美術館(色内1-9-5)1階多目的ギャラリー 入場無料
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