最後の伊藤整文学賞!25回の歴史に幕 (2014/06/13)

itouseibungakusyo.jpg 伊藤整文学賞の最後となる贈呈式が、6月13日(金)17:30から、グランドパーク小樽(築港11)で開かれた。

 最後の受賞者には、小説部門・佐伯一麦氏「渡良瀬」(岩波書店)、評論部門・黒川創氏「国境 完全版」(河出書房新社)が選ばれ、ブロンズ像と副賞50万円が贈られた。過去の受賞者や伊藤整の家族・会員・関係者ら100名が祝福する中、25年の歴史に幕を下ろした。主催は伊藤整文学賞の会(井上一郎会長)。

 同賞創設のきっかけは、故渡辺淳一氏が、文学を目指していた時期、上京したばかりの新人の頃から伊藤整に温かい励ましを受け、ずっと慕っていた。是非とも文学賞を立ち上げたいと、知人の縁を通じて小樽の経済人らに構想を提示したのがはじまりと言われる。

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 伊藤整の没後20年1990(平成2)年に同会が創設され、同年6月16日第1回贈呈式が行われ、今年で25回目を迎えた。しかしながら、資金難や運営者の高齢化などが原因で、25回目をもって最後の贈呈式となった。

 受賞者は、伊藤整の母校小樽商科大学のグリークラブが歌う「若人逍遥の歌」が流れる中、出席者の温かい拍手で入場。選考委員の菅野昭正、黒井千次、松山巌、増田みず子の各氏が、講評を述べた後、受賞者からスピーチがあった。


saeki.jpg 佐伯氏は、1959(昭和34)年宮城県生まれで仙台市在住。高校卒業後、週刊誌記者・電気工などを経て1984年に作家デビュー。受賞の喜びを「自分の作品が大きな評価をされ感慨深い。最後の受賞者となり本当に嬉しく思う。北海道にゆかりのある賞をいただき、北海道の地は、小説家になる縁といえる地。20年の歳月を費やして完成した。自分の力だけではなく、いくら感謝しても足りない」と述べた。


 黒川氏は、1961(昭和36)年京都市生まれで神奈川県鎌倉市在住。kurokawa.jpg同志社大学文学部卒。評論・小説家。「仕事の原点となった場所で、私にとって一番嬉しい賞をありがとうございます。選考委員の4人の方は、日頃から敬意を抱いている先生なので、何より嬉しく光栄である」と喜びをかみ締めた。

 引き続き、祝賀会が開かれ、中松義治市長らが祝辞を述べ、25年間を振り返り、それぞれ最後を惜しんでいた。

 井上会長は、「感無量。本当に市民の皆さんや企業がいろいろな形で協賛し支えがあり、感謝している」と述べた。

 これに合わせ、市立小樽文学館(色内1・玉川薫館長)では、同日から「伊藤整文学賞25年の歩み展」が始まった。

 同企画展では、第1回目からの全受賞作品約50作を展示し、作家のプロフィールとその時々の審査員の講評を掲載。受賞者の記念写真と祝賀会の様子など、同文学賞に関する資料などを展示し、歩みを知ることができる。

 また、第1回目に受賞した大江健三郎氏の妻が贈呈式で代読した大江氏手書きの挨拶文や、1965(昭和40)年渡辺淳一氏が32歳の頃、伊藤整へ宛てた初めての手紙を展示。伊藤整を慕う思いや感謝の思いが込められている。渡辺氏追悼も兼ねてコーナーを設置した。

bungakuten.jpg 伊藤整特設コーナーでは、愛用のカメラ・バック・帽子や、旅先で立ち寄った工房で自ら絵付けした壺なども展示している。

 玉川館長は、「立ち上げるのも大変だったと思うが、レベルを変えず25年間維持する苦労は並大抵ではない。これに関わる関係者、ご遺族の方々の協力もあり、文学賞の意義は大きかったと思う。文学館では、文学賞に関する書類などが当館で保管され、業績を継承し、後世に伝え、別な形で新しい活力となって蘇らせるよう活かしていきたい。」と話した。

 伊藤整文学賞25年の歩み展 6月13日(金)〜7月27日(日)9:30〜17:00(入館16:30)

 市立小樽文学館(色内1-9-5) 休館日:月曜日(7/21開館 7/22・23振替休館)
 入館料一般300円、高校生・市内高齢者150円、中学生以下無料、団体(20名以上)2割引

 伊藤整文学賞の会HP

 伊藤整文学賞25年の歩み展

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