対岸の建物が大きく伸びた!今季最大の蜃気楼


 蜃気楼シーズン真只中の5月28日(水)、石狩湾で待望の大規模の上位蜃気楼が出現した。
 4月30日と5月12日にも大規模蜃気楼発生を確認してるが、前回をしのぐ今季最大規模の上位蜃気楼となった。今後、高めの気温の日が続く予報で、引き続き、蜃気楼発生に期待が高まっている。
 5月28日は、道内各地で気温が上昇した。小樽でも、最高気温21.2℃を記録する初夏らしい清々しい青空が広がった。
 大規模蜃気楼観測に成功したのは、小樽総合博物館(手宮1)の大鐘卓弥学芸員で、12:30頃、高島海岸から対岸を双眼鏡で見たところ、銭函方面に蜃気楼の発生を確認。その後、12:40には、肉眼でも変化が分かるほど、ドリームビーチと手稲区曙の山口団地の間の海岸林等が大きく上に伸びるなど、銭函地区約10kmに渡る蜃気楼を確認した。その変化は、13:10頃まで続き、その変化の様子を写真に収めた。<画像提供:小樽市総合博物館>

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 12:00頃の手稲山口は、東よりの風3mで、13:00頃には、北よりの風2mに風向きが変化し、気温23.3℃に上昇。大鐘学芸員の長年の研究から、蜃気楼発生の典型的なパターンだったという。しかしながら、蜃気楼発生の変化が分かりやすい高島から見る石狩湾新港のタンク群の変化は見られなかった。
 また、ドリームビーチの海の家などには変化がなく、その後に位置する海岸林や周辺の建物、星置生協の看板やマンション群が、いろいろな高さの伸び縮みするのを確認した。周辺の変化を探すと銭函海岸の恵比寿岩も伸びていることに気づいた。
 同時刻に、朝里で観測していた柴田進さんは、石狩湾新港のタンク群の変化を確認し、中規模と判断した。
 大鐘学芸員は、石狩湾蜃気楼情報ネットワークに、今シーズンの石狩湾での蜃気楼発生確認回数を、5月20日時で12回と発表。2011年と2013年は1回、2012年は6回で、例年に比べて多いことが分かった。その要因として、気温が例年に比べて高めの日が多かったことや、観測者が増えた人的要因もあるとした。
 また、「冷夏予報にめげず、順調に発生回数を増やしている。ここ数日は、気温が高めの予報で蜃気楼発生の可能性がある。是非、この機会に海を眺めてもらいたい」と呼びかけている。
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 問合せ 0134-33-2523 小樽市総合博物館・大鐘
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