明治の大豪邸・旧遠藤邸 一般公開


 立正佼成会小樽教会(富岡1・村瀬容子教会長)では、小樽の御殿と言われた旧遠藤邸の一般公開を実施している。
endoutei.jpg 5月18日(日)から25日(日)までの8日間、10:00から15:00まで無料で開放される。普段は見られない貴重な歴史的建造物とあって、市民や学校団体など、毎年700人以上が見学に訪れている。
 旧遠藤邸は、海産物卸商で巨万の富を築いた遠藤又兵衛が、1902(明治35)年に、長倉増藏氏の設計により建立した豪邸で、小樽港を望む高台に位置する。美しい庭園に囲まれ、遠藤氏の財力を使い、本州から木材を取り寄せ、大工は越後から呼び、旭川の神威古潭(かむいこたん)から砂利を運び、釘を使わずに3年もの歳月をかけて作られた和洋折衷の建物で、「小樽御殿」の名で知られる邸宅だった。

 玄関脇に張り出た八角形の応接室は、ベイウインドがついた白塗りの壁と、天井には通気口がある洋室が特徴的。門や塀も重厚に作られ、鷹や亀の鬼瓦が飾られ、遠藤家の金色の家紋四菱もいくつも飾られ、当時の貫禄が今でも漂っている。
 また、レンガ塀は当時のままで、中庭の梅や牡丹の花々がそれぞれの季節を楽しませている。
 遠藤氏の死後、1913(大正2)年に、倉庫業等を営む山本厚三氏が所有者となり、1964(昭和39)年に、立正佼成会が購入し小樽教会道場として使用。1983(昭和58)年に、南正面棟の主要部分を残し、正面棟約3間分と西・北棟を撤去した。
 1985(昭和60)年7月に、小樽市指定歴史的建造物4号に指定され、1995(平成7)年には、小樽市第8回都市景観賞を受賞している。
 一般公開に合わせ、玄関横のホールでは、立正佼成会・谷内純子会員らによる手作りのつるし雛などの作品を展示している。

 高橋秀典館長は、「会員相互の協力のもと、維持管理を行っている。内部も素晴らしいが、外から見る屋根の組み合わせが幾何学模様に見え一番気にっている。この機会に、是非多くの方に見ていただきたい。和室とショールームを、刺し子の会やお茶の練習などに無料で貸し出している。ちょっとした会合などに気軽に利用していだたきたい」と話した。
 旧遠藤邸 無料開放5月18日(日)〜25日(日)10:00〜15:00
 問合せ:0134-23-7266 立正佼成会小樽教会