桜とともに故人偲ぶ "第69回招魂祭"

 雨が降ると言い伝えられている「招魂祭」が、69回目を迎え、5月14日(火)・15日(水)の2日間、小樽公園・顕誠塔前広場で開かれた。主催は小樽顕誠会。
 14日(火)には、19:00から合祀祭・宵宮祭が開かれ、始まる前には雨も上がり、15日(水)は、穏やかな天気に恵まれる中、11:00から本祭がしめやかに執り行われた。
 小樽顕誠会赤石欽司会長をはじめ、市長、道会議員、合祀者遺族ら約150名が参列して行われた。
 同祭では、郷土の発展に尽くし亡くなった2014(平成26)年度の合祀者18名が加わり、既合祀者3,484名と郷土功労者1,157名を合わせて4,641名を慰霊する。
syoukonsai.jpg 赤石会長は、「身命を祖国のために捧げ、または郷土のため、社会福祉・防災・教育文化・産業経済・医療など多方面にわたり、振興発展に犠牲的奉仕の誠を尽くし、実践行動して小樽市に貢献された偉大なる足跡は、長く後世の模範とする。我々市民は、遺族に対し、国家郷土の振興発展に微力を尽くし、世界の平和に寄与することをここに誓う」と祭詞を述べた。
 引き続き、中松市長は、国難に殉ぜられた英霊と、小樽の振興発展にその生涯を捧げられた功労者へ慰霊の言葉を述べた。
 その後、参列者全員で玉串奉奠を行ない、日本詩吟学院岳風会小樽支部岳船会10名が、奉納吟「小樽功労者の魂に捧ぐ」を披露した。
 顕誠塔は、日露戦争終戦後、生還将士から、戦死した友の御霊を慰霊したいとの申し出があり、18年かけて1923(大正12)年に完成。翌年から招魂祭が始まり、小樽の一番早い祭りとして賑わいを見せていた。1945(昭和20)年からは、郷土小樽市に貢献のあった人々を合祀することとした。顕誠塔は、小樽市民の宝として現在に至っている。
 2006(平成18)年から2008(平成20)年にかけて、顕誠塔前広場を中心とする小樽公園に、107本の桜を植樹している。同祭に合わせたかのように、招魂の桜(ヤエザクラ)が見頃となり、参列者の目を和ませていた。