小樽商科大学(緑3・和田健夫学長 )では、2012(平成24)年5月に起きた飲酒死亡事故を二度と繰り返さないよう、同大学体育館前に、4月28日(月)に碑を建立した。
そして、5月7日(水)12:15から追悼式を行なった。和田学長をはじめ、山本眞樹夫前学長ら教職員、遺族、学生、アメリカンフットボール部のOBなど150名が出席し、故人の冥福を祈った。
誓いの碑には、飲酒により死亡事故を起こしたことに、哀悼の意を捧げるとともに、事故の反省と教訓を深く心にとどめ、二度と事故がおこらないようにと刻まれている。
和田学長は、式辞の中で、事故の経緯に触れ、故人の無念さや遺族へ哀悼の意を捧げた。
「若者の飲酒事故は全国で後を絶たない。実際に本学でも1年生が過度の飲酒により病院へ運ばれている。飲酒は、時と場合によっては危険と隣り合わせの行為。しかし、飲酒事故は防ぐことができる。本学は、未成年飲酒、過度の飲酒などの指導を行っている。取組みは、意識の改革や行動が伴わなければ、意味がなく防ぐことはできない。最終的には個々の自覚にかかっていることを改めて強調したい。私達、教職員と学生は、この事故を防ぐことができなかったことを深く反省し、ここに誓いの碑を建立し、二度とこのような事故を起こさないと誓う。また、5月のこの時期を故人を追悼する日と定め、毎年心を新たにして教職員と学生が力を合わせて、飲酒事故防止の決意を新たにする」と述べた。
学生を代表して「私達は、忘れず、戒めていく。そして、この碑の前で、改めて飲酒の事故再発防止に努めていくことを誓う」と誓いの言葉を述べた。
引き続き、和田学長と学生代表と遺族による献花が行われ、参列者が続き、1分間の黙祷が行われた。
追悼式終了後、事故が起きたグランドへ遺族と学長らが献花した。
遺族は、「二度とこのような事故を起こさないでほしい」と、涙ながらに記者の質問に答えた。
追悼式が終わり、和田学長は、「故人のご冥福を祈る。これで、問題が解決してわけではない。自分達の力で飲酒防止に努めたい。碑については、誓いの言葉とし、ずっと記憶にとどめてもらいたい。大切なことは、いつまでも忘れず、努力すれば防止することができる気持ちを持ち続ける努力をする」と繰り返した。
同大4年生は、「このような事故が起きないように、未成年者には、酒を飲ませないように全員で意識すると良い。歓迎会では、酒を出さない、上級生も飲まない。普段から飲ませる機会を無くした。充分に気をつけていきたい」と話した。
飲酒死亡事故は、2012(平成24)年5月7日に同大学のアメリカンフットボール部の部員が、大学内のグランドで、バーベキューパーティを行なった際に、過度な飲酒による死亡事故が発生。新入部員だった1年生男子学生(19)が死亡する事故が起こった。部員50人を無期停学などの懲戒処分、同年7月に同部を廃部にした。
2014(平成26)年4月30日に、謝罪などを求めていた遺族と、大学及び9名の元部員との間で、和解が成立した。
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