『古屋ギャラリー絵画展』ふるさとテーマに34作品


 今年1月に亡くなった古屋ギャラリー(花園4)のオーナー古屋五男氏の遺志を継いで、第15回「ふるさとの絵展」が、4月15日(火)から始まった。
furuyagallery.jpg この絵画展は、テーマを決め、そのテーマに沿って作者それぞれが絵で表現した作品展となっている。これまでに、「命」「はな」「夏」、昨年は「かぜ」をテーマに、4月に開催され好評だった。昨年の開催時に、今年度のテーマは、「ふるさと」と決めていて、古屋氏の遺志を継ぎ、追悼の気持ちを込めて、古屋氏と関わりのある作家34名の作品を一堂に展示。
 今までは、古屋氏がすべて準備をしてきたが、今回から島常雄・菅原睦子・日向良子・松田孝康・村元道男の5氏が実行委員会を設立し、出展依頼や案内状の送付、看板などの準備を進めてきた。
 今回の作品は、小樽、札幌、釧路在住の道展会員などの実力者が、それぞれに思いを込めて描いた作品。3号から10号サイズまでの水彩・油彩の34作品が会場に展示され、物語が感じられ、見応えがある。
 古屋氏の遺作「西積丹」は、若い頃に描いた作品で、得意とする船を入れた風景に、古屋氏を思い出す来場者も多い。
 松田孝康氏の作品「郷愁」は、東京ロマンチカの「小樽のひとよ」を題材に、小樽駅や桃内海岸をバックに女性を描いたもの。
 鹿嶋和子氏は、「私のふる里 鷹栖のメロディ橋」と題して、自画像を入れた作品。
 江端良浩氏の「離陸」は、特殊な技法でバックを描き、卵の殻で丹頂の羽を現し、ふるさとから飛び立つ瞬間の丹頂を表現し、テーマに則した絵。
 板垣弘氏の「忍路」は、はじめて小樽で出会った忍路の高台からの風景を、はじめて描いた。この場所が板垣氏にとっての”ふるさと”となるなど、どの作品からも作者の深い思いや物語が感じられる。

 古屋氏の後継者となる絵画教室「古屋新しい絵の教室」の講師を務める村元氏も、「ふるさと」をテーマに作品を描いた。氏にとってのふるさとは、石狩川を入れた朝日が上る前の風景を作品にした。子どもの頃石狩川付近に住んでいて、縄張りのように感じていた場所からの風景、これしかないと思い早朝に出かけ描いたという。川で泳いだり、溺れた友達を助けたり、鮭の遡上を狙い鮭を捕まえたことなど、当時の思い出が蘇り、まさに”ふるさと”だった。
 村元氏は、「絵画展を開催できとても感謝している。ひとりではできない、みんなの協力があってのこと。古屋先生がひとりで準備してきたことを、実行委員が分担して行い、いろいろ勉強になった。これだけの良い作品を、是非、多くの皆さんに見てもらいたい。6日間だけの展示ではもったいないくらいだ。次回のことは未定だが、楽しみにしている方も多く、できれば来年も続けたい」と話した。
 第15回古屋ギャラリー「ふるさとの絵展」4月15日(火)〜20日(日)10:00〜17:00
 古屋ギャラリー(花園4) 0134-27-1036