雪の家"イグルー"を作ろう!市総合博物館


0112igloo1.jpg 小樽市総合博物館(手宮1・青木良英館長)では、雪の家「イグルーを作ろう!」を、1月12日(日)10:00と13:00に開いた。
 冬型の気圧配置の影響で、視界を遮るほどの雪が断続的に降り続き、気温も−5.5℃前後の真冬日となり、厳しい寒さが続いていた。それでも、親子30人が防寒した身支度で集まり、イグルー作りを体験した。
 イグルーは、カナダ北部の地方で暮らすイヌイトの人々が、狩りに出かけた先で、雪のブロックを積み上げてつくる仮の住居のこと。現在でも、狩りへ出かけた時に2、3日使用し、カナダの北方圏では、子ども達の授業でイグルー作りを取り入れ、文化が伝承されている。
0112igloo2.jpg 同館本館エントランスホールに集合し、体験前に、1949年にカナダで撮影した65年前のイヌイトの人々のイグルー作りの貴重な記録映画「イグルーの作り方」が放映された。
 その後、構内の除雪車DD14前広場で、大鐘卓弥学芸員の指導のもと開始された。イグルー作りの道具を使う方法と、イヌイトの伝統的な工法の2つの方法で行われた。
 伝統的な工法は、雪原の雪をナイフで切り出してブロックを作るが、博物館構内の雪は、切り出しても硬い雪のブロックにはならないため、プラスチックのコンテナに雪を詰めてブロックを作った。横35cm・縦23cm・高さ14cmのコンテナボックスに、湿らせた雪を詰めてブロックを作り、大鐘学芸員が積み上げた。
 参加者は、寒さを吹き飛ばし、夢中でイグルー作りに精を出していた。2時間ほどで、直径1.8m・高さ1.8mのイグルーを完成させた。

 一方、道具を使った作り方は、午前と午後にわたり作業を続け、直径2.7m・高さ2mのイグルーが完成。
 13:00からも15人が参加してイグルーを製作し、全部で3つのイグルーが完成した。
 青木館長は「小樽の北国の季節を活かして、同じ北方圏に住むイヌイットの生活の知恵を遊びを通じて体験してみようと、初めて企画した。異なる文化を理解してもらいたい。あいにくの天気だったが、子ども達から寒いとの声もなく、元気に夢中でイグルー作りを楽しんでいた」と話した。