「税を考える週間」講演会と作文朗読会


国税庁では、毎年11月11日から17日までを「税を考える週間」と定め、国民が税の意義や役割について考え、税務行政の理解と信頼を高めるため関係団体が協力し、様々な活動を行っている。
1113taxweek1.jpg その一環として、11月13日(水)15:00から、ニュー三幸(稲穂)4階ホールを会場に、同週間のテーマでもある「税の役割と税務署の仕事」と題して、今年7月に赴任した小樽税務署・栗原茂雄署長(54)による講演会を開催した。
 講演に先立ち、主催する公益社団法人小樽法人会・荒田一正会長は、「北海道経済は、ゆるやかに回復としているが、原材料や燃料費の高騰、電気料金の値上げなどによる景気回復を実感しえない地域経済、中小企業にとって依然として厳しい状況。法人会では、公正公平な申告納税制度の維持発展を目指し、各地の法人会から税制に対する要望事項を取りまとめ、政府、政党、関係団体へ要望を提出している。法人会がかねてより要望していた法人税率の引き下げ、原価償却費の残存価格の廃止、相続税など多くの要望が実現された。来年4月1日から8%の消費税引き上げにあたり、わが国の社会保障ならびに財政再建の将来展望を早急に示し、国民に安心感を与えるのが課題。さらに、法人会としては、経済社会の発展へ向けて大胆な歳出削減、抑制など税制改革を強く求めている」と挨拶した。1113taxweek2.jpg
 講師の栗原署長は、新潟県出身で関東信越国税局を回り、今年7月から小樽税務署に赴任。北海道での勤務は初めてのこと。
 精神科医師・エッセイストの斉藤茂太著「いい言葉はいい人生をつくる」の中の言葉を紹介し、ストレスを溜め込まず、自分流の方法でストレスを放出する。同書によると『STRESS』でストレスをやっつけるとし、『S』はスポーツ、『T』はトラベル、『R』はレクリエーション、『E』は食べる、『S』は眠る、『S』は笑顔で、笑顔の重要性について強調した。
 その後、配布したプリントに基づき、まずは税制の基本、租税の意義や原則、負担の公平や課税の中立、納税者に分かりやすく簡素で明確な制度であることが重要と説明した。税政の現状では、平成25年度の国の一般会計予算から歳入額と歳出額をグラフで説明。また、税の歴史と変遷についても話した。国税局での重点的に取り組んでいる調査についてのDVDが放映された。
 引き続き、小樽地方納税貯蓄組合連合会(新倉吉晴会長)主催の、中学生の税の作文朗読会が行われた。
1113taxweek3.jpg 中学生を対象に、税に関する作文を募集したところ294作品の応募があった。同会をはじめ、小樽法人会、小樽青色申告会連合会など7名で審査会を開き、9,918作品の中から、1作品が全道大会へ、9作品が全国大会へと進んだ。
 その結果、国税庁長官賞には、小樽市立菁園中学校1年・山内茉莉華さんの「花は咲く」が選ばれた。新倉会長は「一昨年から、3年連続全国大会で受賞している。レベルの高さを感じた。税を理解し、しっかりとした考えを持ち、社会の中で税の大切さを知り、自分達のために税が返ってくるなど、より深い理解をしている」と受賞の栄誉を称えた。市内では山内さんをはじめ、11名が小樽税務署長賞などを受賞した。
 朗読会では、山内さんの他、小樽税務署長賞の北海道龍谷学園双葉中学校3年・嶋﨑楓花さんの「税は返ってくる」、同賞・小樽市立菁園中学校1年・木戸ちさとさん「滞納者を減らすために」、小樽地方納税貯蓄組合連合会会長賞の小樽市立菁園中学校1年・岡﨑量子さん「明るい日本の未来のために」を朗読し受賞作品を披露した。
 小樽税務署長賞を受賞した嶋﨑さんは、「夏休みの課題で、はじめて応募した。あまり税のことを知らなかったので、調べて大切なことだと分かった。税金を払いたくない人がいるが、税について調べ、納税の大切さを知ってもらいたいと思う。大変勉強になった」と話した。