小樽の経済発展を! ロシアとの定期航路開設記念式典


 小樽とロシアのウラジオストクを結ぶRO-RO船定期航路開設の記念式典が、10月25日(金)9:30から、小樽市外航客船公共待合所(中央埠頭基部)で行われた。
ro-roship1.jpg 航路開設者である、あけぼの有限会社(富山県富山市)の関係者や、小樽港代理店となる日本通運株式会社・原田雅彦小樽支店長、式典主催者小樽港貿易振興協議会・中松義治会長(小樽市長)ら35名が出席した。
 中松会長は、「かつては、1995(平成7)年にロシア・サハリン線の小樽−ロシア間を結ぶ、フェリー定期航路を開始し、燃料高騰などを理由に、2005(平成17)年以降、休航となっている。一方、道内の中古車輸出シェア9割を占めるなど、依然として、本市にとってロシアは極めて重要な貿易相手国。また、最近では、ロシア航路の連携を強める動きが出ており、今後ますますパートナーシップの強化が期待できる国と考える。こうした中で、本市と定期航路を開設することは、大変喜ばしく、今後、航路について周知がなされ、安定的な業者が定着し、将来的にはさらなる貨物の増加につながることを期待する」と挨拶した。
ro-roship3.jpg 北海道運輸局海事振興部長・岩瀬恵一郎氏は、「現在、北海道の外航定期航路の6港17航路に、今回の航路が追加された。ますます、小樽港、北海道の発展に貢献することになると期待する。これまでの関係者の尽力に敬意を表し、新たな外航定期航路がこれからも発展することを祈願する」と祝辞を述べた。
 その後、「ASTONGATE号」のバリャバ・イゴリ船長に花束を贈呈し、あけぼの有限会社シャドリン・イゴリ営業部長に記念品を贈呈した。
 シャドリン氏は、「小樽とウラジオストクを結ぶRO-RO船航路を正式に定期航路として開設できたのも、皆さんのご支援の賜物と感謝を申し上げる。かつてからの念願の定期航路の開設は、小樽港から年間を通じて、計画的に車輌の輸出を可能にし、さらに、本船に装備された水平荷役方式により積降し荷役が簡素化された。利便性の大幅な向上は、小樽港に宣伝集客をもたらし、載り降しのお客様にも、少なからず満足してもらえると自負している。将来的には、一般貨物の輸出・入を含めた定期航路として貿易を拡大させ、小樽の活性化に微力ながらも貢献してまいりたい」と謝辞を述べた。ro-roship2.jpg
 シャドリン氏は記者の質問の中で、「今後は、日本からの輸出量を増やし、ロシアから輸入することを期待している。ロシアでは、トヨタ車の需要が高く、性能が良く人気がある。今のところ、ロシアから日本へこの航路を利用して運ぶものはないが、今後、ロシアの会社と交渉し、木材を北海道へ輸入させたい。小樽港に開設した理由は、雪が降るため、4輪駆動車の需要が多く、小樽から中古車が流れる基盤ができている。試験運航3回で、計200台の中古車を運び、今後は1回の運航で120〜130台を目標にしている」と答えた。
 昨日24日(木)に、定期航路船「ASTONGATE号」が小樽港に入港。あいにくの台風接近に伴い、出港は、29日又は30日になる見込み。
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