7人の7つのテーマが面白い! フォト虹彩写真展


photocousai1.jpg 第9回小樽フォト虹彩写真展が、21日(水)から25日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開催中。
 2005年に井上雅博会長が立ち上げ、現在所属の57歳から65歳まで男女7名の会員の作品71点を展示している。
 近年、様々な写真展やコンテストでは、デジタル写真が多い中、同写真展では、男性会員3名がモノクロ写真を出展。7人が自分でテーマを決めた組み写真が並び、7人分の個展が一同に会しているような写真展となった。
 また、会場の床上1m45cmに写真の中心を合わせ、見やすく展示。照明を落とし、モノクロ写真を引き立たるなど、展示にもこだわりを持ち、工夫している。
photocousai2.jpg 同会の活動は、2ヶ月に1度、作品を持ち寄っての例会と、年3回の撮影会で、宮島沼や三笠市、最近では、古平町の火渡りへ出かけ、親睦を深めている。
 佐藤通晃さんは、「小樽ー冬景」をテーマに、モノクロ写真13枚を全紙サイズに自ら現像。会場の9mの壁が自分用のスペースとして与えられ、見応えのある展示。13枚のうち、12枚は昨シーズンの冬に撮影し、大雪の日の3枚から、今年のテーマが浮かんだという。市内の街角の生活感溢れる情景など、北海道の冬の姿を写真に収めている。
 佐藤さんは「夏の暑い中に見る冬景色は美しく、毎年、同じように見える冬景色だが実は違い、その年々の冬をフイルムに残している。この写真展は、皆さんが作家で、写真という物を作るグループ展。会員の感情や感性を表現している」と話す。
 「街の記憶」をテーマにした井上会長は、市内中央通り界隈の今は取り壊され、見ることのできない建物が並ぶ撮り貯めた写真から、懐かしい光景ばかりを発掘して出展。写真の中の色内2の看板から場所を想定。時代を感じさせる食堂。メニューが木造の外壁に貼り付けてあったり貴重な町の風景の数々。
photocousai3.jpg 井上会長は、モノクロフィルムをスキャンし、パソコンに取り入れプリント。モノクロ本来の色を出すために試行錯誤を重ね、「フィルムならではの黒が潰れず、質感とトーンが素晴らしい」と、佐藤さんは絶賛した。
 また、70年代の新宿を「モーレツからビューティフルへ」と題した、モノクロ写真を出展した高橋孝ニさんは、写真学校へ通っていた40年前の新宿を撮影した貴重な写真。新宿駅東口では学生運動が行われ、靴磨きの光景や当時のおしゃれな女性などの写真を展示している。
 7人それぞれの個性が溢れたテーマに取り組んでおり、会員同士で作品を見るのが楽しみだという。
 第9回小樽フォト虹彩写真展 8月21日(水)〜25日(日)10:00〜17:00(最終日16:30)
 市立小樽美術館(色内1-9-5)1階市民ギャラリー 入場無料