小樽近郊の風景をパステル画に!「渡辺桂子小品展」


coffeekobo.jpg 3年前に亡くなった小樽在住の渡辺桂子さんの優しい色彩のパステル画14点の「渡辺桂子小品展」が、8月10日(土)より31日(土)まで、小樽珈琲工房(住ノ江1)で開かれている。
 桂子さんの姉山田悦子さんが、生前個展を開きたいと思いを募らせていた妹桂子さんの思いを実現させた。
 
 開催場所を探していたところ、残された日記の片隅に「珈琲工房で出来たら良いな~」との一文を見つけ、同店の店主・沖野正則さんに相談し、故人とは長い付き合いがあり、同店のお客さんだった縁もあって開催の運びとなった。

 桂子さんは、小樽出身で、歯科衛生士として勤務。勉強をしようと32歳の時に小樽商科大学へ入学するほどの努力家。高校卒業後の頃に油彩をはじめ、アルバイト先の喫茶店の経営者から絵を学び、昭和57年からは、三宅悟氏の絵画教室でパステル画を学ぶ。絵や写真、スポーツと多趣味だった。3、4年の闘病生活後、56歳で他界。亡くなる1年前くらいから集中的に作品を制作した。
watanabekeiko.jpg 今回14点の内、10点以上が亡くなる1年以内の作品。姉の山田さんは、「亡くなる1年間に制作した絵は、柔らかさがある色彩で、やさしい気持ちが出ていて、淡い仕上がりの作品が多く、画風が柔らかくなった。亡くなる1ヶ月前に個展をするために、本人が額装し選んだ作品を展示した。沖野さんに快く受け入れもらい、希望通りの作品展となり、良い供養になりました」と話した。
 
 作品はどれも優しい色使いで、白い額が絵を引き立たせている。市内や近郊の風景を絵に残し、海好きの桂子さんが見る海を表現。桜の季節や色づく季節、どれもやさしいタッチで描かれている。案内状に印刷した人形の絵は、昭和57年に初めて個展をした時の絵でお気に入りの絵だという。会場にも展示。30代の自画像も飾られている。
 
 沖野店主は、「35年前からの付き合いで、画風に人柄が表れると思う。当店のオープン時に絵をいただき飾っていた」と故人を偲んでいた。
 渡辺桂子小品展 8月10日(土)~31日(土)平日10:00~19:00、日・祝日11:00~16:00
         クローズ15:00〜16:00
 小樽珈琲工房(住ノ江1) TEL・FAX:0134-23-1633