ひょっとこ踊り 能楽堂で発表会!滑稽な踊りに拍手

 宝来ひょっとこ踊り保存会小樽支部(後藤ヨシヱ支部長)は、小樽市能楽堂(花園5)の舞台で、7月7日(日)13:00に発表会を開催。出演者の友人・家族、市民ら150人が詰めかけ、ひょっとこの独特で滑稽な踊りを楽しんだ。
 ひょっとこ踊りは、お面や豆絞り模様のほおかぶり、赤い半纏を着て、腰を振りながら踊る。宮崎県日向地方が発祥の地。これに魅せられた音更在住の家元・井幸峰氏が、北の大地に合い、北海道の芸能を育てたいと取り組み、「宝来ひょっとこ踊り」を創り上げた。
 同小樽支部は、創立11年目となり、50〜80歳までの18名が、週1回、「仲良く、楽しく、無理せず」をモットーに練習に励んでいる。病院や福祉施設などで、広くボランティア活動をしている。
 後藤支部長は、「今日の発表会は、普段の練習の成果を発表し、皆さんが踊りを見て、気分転換になればと思う。会員は、退職後に踊りを始めた人も多く、自分の親にも見せたかったと言う会員もいる。それぞれに思いを込めて踊っている。その姿を楽しんでもらいたい」と話した。
 今回の発表会では、17名の会員が出演。熊本の民謡で、歌詞の面白さや陽気な節回しの「おてもやん」、宝来ひょっとこ踊りに創作した「どんぱく節」、今回初めて披露するめでたい踊りの「七福おどり」、鈴を手にして力強く踊る「鈴の舞」など14曲を踊った。
 それぞれに意味のあるお面をつけ、独特の踊りを披露し、能楽堂の会場を沸かせ、観客から威勢の良い声援も飛び交い、大きな拍手が沸き起こっていた。

 踊りの合間には、友情出演の「山口流篠笛」のメンバー4人が、篠笛の優しく澄んだ音色を奏で、「七夕」「ほたるこい」「竹の歌」など5曲を演奏した。また、太極拳OB会や最上サークル”ピュア”による演舞も披露された。
 ひょっとこ踊りの基本動作の解説では、会員がモデルとなり、身に着けている物を説明し、腰を前後に動かし、脳の活性化になると話した。
 おかめの面は、「髪は綺麗にくし削り、目は細く他の悪い所を見ない。鼻はあらゆることを感じず、口は小さく余計なことを言わない。額には角を取った跡があり、人の幸福を喜ぶ。顔はふくよかで、人に安らぎを与えるよう表現している」との説明があった。
 突然、アンコールの要望があり、急遽「幸せおどり」を観客席まで踊り歩き、滑稽な面をつけて踊る姿に、客席は笑いの渦に包まれた。
 市内在住の77歳の女性は、「初めて能楽堂に見に来た。悲しくても辛くても、ひょっとこ踊りを見ると笑える。とても楽しかった。慰問していると聞いているが、みんなに喜ばれていると思う。また、能楽堂も素晴らしく、管理している方にも頑張ってもらいたい。もっと市民が興味を持ち、活用してもらいたい」と話した。
 発表会を終え、「気持ち良く踊れた。お客さんに励まされている」と、支部長は笑顔で語った。