アオウミガメの太郎! 海のパノラマ水槽へ引越し

 おたる水族館(祝津3)では、2007年に10月の初山別村(北海道)の海岸で右前肢がない瀕死の重傷を負ったアオウミガメを保護した。スタッフがチーム「ウラシマ」を結成。必死に治療し元気になった。”太郎”と命名し、水族館の人気者となっている。その太郎が、海のパノラマ水槽へ、引越しを初経験し、環境にも慣れ、7月1日(月)から、新居での展示が始まった。
 これまでアジやハギと一緒に教育水槽(水量約10㎥)で展示され、片腕を失っても元気に泳ぐ太郎にファンも多い。
 保護当時の体重は4.8kgだったが、6年の月日が経ち、現在は体重42.5kg、甲長74.5cm、甲幅55.0cmとなり、約9倍にも成長した。成長に伴い、従来の水槽が狭くなったため、同館で一番大きい海のパノラマ水槽(水量420㎥)に、6月2日に試験的に引越しをし、様子を見守ってきた。
umigametaro.jpg
 太郎は比較的おとなしい性格で動きも遅いが、目の前のエイを咬みそうになったこともあった。その後、特に問題はなく、1日1度ホッケ・イカ・イカナゴなどの餌を食べ、環境にも適応できたと判断した。引越しの報告を兼ねて、太郎を保護した時の様子などをパネルにして水槽前に展示した。改めて太郎の生命力の強さを感じる展示となっている。
 海のパノラマ水槽の水温は20℃で、群れで泳ぐマサバや5種類のエイ、6種類のサメと生活を共にすることになった太郎は、水槽に向って左隅が落ち着く場所らしく、その周辺を住み家としている。タイミングが良ければ、太郎に見つめられることもある。
 飼育部魚類飼育課・梶征一飼育係は、「危険な状態を乗り越え、元気と勇気をあたえてくれる使者として水族館へ来た。一番大きな海のパノラマ水槽でも元気に泳ぐ太郎の姿を是非見ていただきたい」と話した。
 おたる水族館
 関連記事