竜を画いて睛を点ず!睛竜会展開催中


 様々な素材を使い多彩なモチーフの水彩画が並ぶ「第9回睛竜(せいりょう)会展」が、6月12日(水)から16日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーで開かれている。
 同会(河合幹夫代表)の会員40〜80歳代の8名の6号から60号までの40点の作品を展示している。7回までは古屋ギャラリーを会場としていたが、8回目から美術館に代え開催している。
 当初、老荘大学のOBとしていた規定を、現在は、経歴・年齢を問わず、誰でも入会できるものとしている。会員9人の内5人は、小樽水彩画会に所属するなど、他のグループに参加している会員も多い。年1回の絵画展に向けて作品を制作し、それぞれの自信作を持ち寄っている。
 会の名称は、絵画で、最も重要な箇所に手を加えて効果を上げることを意味する、「竜を画いて睛を点ず」ということわざから命名。

 会11年目の中條由佳里さんは、「水彩画は、子どもの頃から親しんでいて、誰でも入りやすい。学校で学ぶ不透明絵の具は、修正が可能だが、透明絵の具は修正が難しいなど、書き始めると奥が深い」と話した。
 今回6号から30号の5点を出展した「若者の肖像」と「女性像」の人物画は、以前通っていた教室で書いた物を手直しした作品。他3点は、花のモチーフを自宅で制作した。
 中條さんは、「生け花にして楽しむ花と絵に描いて楽しむ花は生け方が違い、絵を楽しむための花はシンプルで良い」と話した。
 他には、八幡郁子さんの「かじか」は、広げた新聞紙の上に裏表にした2匹のカジカをバランス良く描いた作品で、カジカの特徴を上手くとらえている。河合代表は、60号に「赤い山(昭和新山)」を大胆なタッチで描いた作品で、油絵のように仕上げ印象深い作品。
 杉山英二さんは、北運河や朝里ループ橋、冬の運河、日和山灯台の見える祝津の見慣れた小樽の風景を、杉山さん独自の感性で表現している。絵の具には、透明絵の具、不透明絵の具、アクリル絵の具など種類は多彩で、会員達それぞれが、気に入った素材を使って描いている。
 自主研修で訪れた札幌の中学2年生は、「自分は絵が下手なので、上手に描けていて凄かった。絵が見やすいように展示してあった。人形や赤い山の絵が印象的だった」と話した。
 第9回睛竜(せいりょう)会展 6月12日(水)~16日(日)10:00~17:00(最終日16:30)
 市立小樽美術館(色内1-9-5)1階多目的ギャラリー 入場無料