四季折々の作品74点 小樽チャーチル会展


 小樽チャーチル会展が、今年も4月24日(水)から28日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階市民ギャラリーで開催中だ。
churchill1.jpg 60年の節目を迎えた今回の絵画展では、50〜80歳代の12名の会員が74作品を出展。3号から100号の水彩・油彩画が会場いっぱいに展示され、見応えのある作品展となっている。
 同会は、イギリスの戦時内閣(1940~1945)のウィンストン・チャーチル首相が、世界平和を願い、日曜日に絵画を楽しんでいたことに倣って作られた会で、「絵を描くことは、他人に迷惑をかけずにすべてを忘れることができる」とのチャーチルの言葉に共感し、現在全国で53の支部がある。現在、所属してはいないが、会名を引き継ぎ60年を迎えた。
 創立当時からの会員1人を含む16名の会員が在籍している。以前は、年2回写生会を開いていたが、最近では会合を開き、絵の話などの会話を楽しみ親睦を深めている。出展した作品は、各々が1年間に書き溜めた絵画展のための作品で、ほとんどが新作。テーマは自由で、風景や人物、花などを題材に、製作に励んだ作品を持ち寄った。
churchill2.jpg 入会7年目となる田中稔さんは、パキスタンやスウェーデン、モロッコ、カンボジアなどへ旅行した時に写した写真を参考に、田中さん風にアレンジを加えた作品13点を出展。中国雲南省での5,000段もある壮大な棚田など、異国の風景や小樽総合博物館運河館前での雪が積もる中を人力車が走る光景を描いた作品など。田中さんは昔から絵を描くことが好きで、定年後の楽しみとして独学で絵を描き始め、こつこつと作品づくりを楽しんでいる。「絵画展では、会員の絵を参考にし刺激になる。それぞれみな個性がある作品ばかりなので、是非、絵を楽しんで見ていただきたい」と話した。
 ピンク色の桜の季節や緑が濃い森林の散策路、鮮やかな黄色の銀杏並木、日和山灯台や豊井、祝津海岸の寒々しい冬の風景など、四季折々の風景を楽しみながら鑑賞できる。
 岩崎正さんの大作100号の「神威岬」を見た来館者は、「いつも釣りをしている場所で、良く見ている風景と同じように良く描けている。緑色した岬から初夏が想像できる」と感想を話した。
 第60回小樽チャーチル会展 4月24日(水)〜28日(日)10:00〜17:00
 市立小樽美術館1階市民ギャラリー・入場無料