節分に合わせ"鬼カジカ"展示 おたる水族館

 おたる水族館では、2月3日(日)の節分に合わせ、1月27日(月)より、同館2階の水槽に、オニカジカ4個体の展示を始めた。
 オニカジカは、同館で常設展示している魚だが、節分の鬼にちなみ「オニカジカ」特設コーナーの水槽に入れて、より見やすく展示している。
 スズキ系カサゴ目カジカ科オニカジカに属し、特徴は、顔の横についている棘(前鰓蓋骨棘:ぜんさいがいこつきょく)の最上棘が長く、ギザギザ状。怒ったりすると、エラを広げて大きなトゲを突き立て威嚇する。その顔は鬼を想像させる。
 生息地は、福島や新潟県以北の日本海、オホーツク海、ベーリング海の水深25〜150m。展示している個体は、同館飼育員が漁師の船に同乗し、寿都近海でホテイウオの採取目的の網に、たまたま掛かり採集できたもの。小樽近海では捕れない。刺身や煮る・焼くなど食べることもできる。漁師の間では、美しく着飾った花魁の華やかさに似ていると「おいらんかじか」と呼ばれている。
 水温8℃の水槽に大きな岩をセット。12〜15cmのオニカジカ4個体が、岩の両脇に2個体ずつ身を潜め、目をクリクリさせ様子を伺っているようにも見え、時々泳ぎ出す。魚屋でみるカジカとはちょっと違い、大きな顔に大きな口、色とりどりの化粧をしているようなおしゃれなカジカ。顔は、鬼の形相だがじっと見つめたくなる。

 同館魚類飼育課・折笠光希子飼育員は、「この機会に多くの方々に見てもらい、オニカジカの写真を携帯の待ち受け画面にすると、厄払いになるかもしれませんね。節分にちなんだイベントでも楽しんでもらいたい」と話した。
 2月1日から3日の節分当日まで各日2回、飼育員が鬼に扮し、館内に出没する。めでたく鬼を見つけて、じゃんけんに勝つと、オリジナル缶バッチをプレゼントするイベントを予定している。
kukinishin.jpg
 また、1月24日(木)昼過ぎに、祝津では2年ぶり群来が観測され、漁師が網をかけ、約50匹のニシンを捕獲。その時にスガモ(草)に付いていた数十個の卵を分けてもらい、同館、「冬の命の輝き」ニシンコーナーで展示している。水温を7℃にした水槽の中で、約20日で孵化。今後、同館では、成長を観察していく予定。
 同館・三宅教平飼育員は、「天然の群来から採取したニシンの卵の展示は、おたる水族館だけで貴重な展示。群来から採れた卵が寒い冬の海で育つ様子を是非見てもらいたい」と話した。
 おたる水族館