"はす葉氷"が一面に 手宮の海岸で結氷出現

 小樽運河での結氷による”はす葉氷”は、小樽の冬の風物詩となっているが、1月24日(木)、小樽市手宮1丁目ホーマック手宮店横の湾内の海岸一面に、結氷が発生し、幻想的な光景が広がった。
 結氷は、はす葉状となり、これぞ「はす葉氷」が出現した。小樽湾内でのはす葉氷の確認は大変珍しい。
 24日(木)深夜0:00の気温は-7.0℃で、7:00台まで-7℃台が続き、観測した11:00台は-4.0℃となっている。風速は0.9m/sから0.3m/sと弱く、雪は降っていない。

 雪と氷の研究をしている日本雪氷学会理事でもある小樽総合博物館の大鐘卓哉学芸員は、「市内で海水面が凍った状態で見られるのは珍しい。今朝は、干満の差が大きくなく、風が穏やかで波が小さい。先週は寒い日が続き、寒い日の後の方が凍りやすい。いろいろな条件が整って”はす葉氷”が一面にできたと考えられる」と話している。
 月は潮汐力を引き起こすため、1月12日が新月、19日が上弦、27日が満月となる。満月や新月の時、干満の差が大きく、上弦や下弦の時には干満の差が少ない。
 第1管区海上保安部海氷情報センターの担当者は、「小樽湾での結氷を確認はしていないが、浅い海岸に比較的結氷ができやすい。オホーツクでは、結氷は珍しくない。塩分の濃度や水深や対流などによって海水の凍る温度が違ってくる」と話した。
 はすの葉状の氷が一面に広がる海の光景は、極寒の冬の厳しさをひととき忘れさせ、神秘の自然現象に想わず感動させられる。