「銀河鉄道の夜~KAGAWA 幻想の世界~」開催 小樽美術館


digitalgraphic1.jpg 「銀河鉄道の夜~KAGAWA 幻想の世界~」が、12月22日(土)から3月17日(日)の日程で、市立小樽美術館(色内1)2階展示室で始まった。同展は、 幌内鉄道全線開通130周年・市制施行90周年記念事業、文学館・美術館共同企画展。
 宇宙と神話の世界を描く、デジタルグラフィックアーティスト・KAGAYA(加賀屋穣)氏のデジタルペインティング作品を中心に展覧している。
 初日の22日13:00から、KAGAYA氏のギャラリートーク&サイン会が開かれ、ファン25名が集まり、幻想的なデジタルペインティングの世界を鑑賞した。
 KAGAYA氏は1968年埼玉県生まれ。豊富な天文知識とアートセンスで宇宙と神話の世界を描くアーティスト。プラネタリウム番組「銀河鉄道の夜」が、全国各地で上映され人気を博した。小樽でも総合博物館で上映された。作品の特徴は、絵画制作をコンピュータ上で行う、デジタルペインティング手法。
 KAGAYA作品の前で、氏自身の解説を聞きながらの鑑賞会となった。参加者には、写真撮影が許可され、質問も受け付け、和やかに進められた。作家・宮沢賢治の手書き原稿の複製も展示していた。
digitalgraphic2.jpg 「銀河鉄道との出会いは、母に読んでもらったのがきっかけとなった。宮沢賢治氏は、星を見ながら文章を書いていたので、原作を一文一文読み、確かめながら、銀河鉄道シリーズを描いた。同氏の故郷・岩手の花巻へ何度も行き、確かめながら作品を作った。岩手軽便鉄道の機関車が、同氏のイメージしたものだと思い、廃線跡を何度も歩きながら、風景を確かめながら絵を描いた。青は透明感があり、夜空をイメージする。銀河鉄道に乗ると、夜空に星がなく、地面そのものが星空で、星の光は、石、花、三角標に置き換わっている。桔梗色の空が広がっている」と説明した。
 「作品”サウザンクロス”は、一番煌びやかな天の川の南十字星が、宝石のように輝き、印象的で、ここに降り立った時をイメージして描いた作品」と解説した。
 また、「銀河鉄道シリーズを描き始め、映像を作り始めたのは、自分が実際に見てみたい、誰も描いたことのない世界を描いて、眺めて、究極的には銀河鉄道に乗ってみたいというのが夢。なんとか叶えたかった。最初は絵で描き、映像にし、プラネタリウムにしたら自分が乗ったような気持ちになれるのではないかと、どんどんエスカレートしていった。銀河鉄道がきっかけで汽車も好きになり、歴史にも興味が広がっていった」と話した。
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 会場では、「銀河鉄道の夜 ―序―」・「銀河鉄道の夜 ―原風景―」・「銀河鉄道の夜 ―星空」・「12星座」・「星天日和」の5つのパートに分け、31作品と映像(DVD)6作品を上映している。
 「12星座」のコーナーでは、「星座は88あり、太陽が一年かけて通る通り道(黄道帯)にある星座が12ある。本当の星の位置、色、明るさを描き上げている。星座は、人類共通の財産で、未来に語り継いでいきたい。千年後も2千年後も星座を見ている人がいるかもしれない。星座を語り継ぐ人、豊かな心を残していかなければならない。銀河鉄道のライフワークでもある」と話した。
 札幌在住の30代女性は、「KAGAYA氏の作品との出会いは、ツイッターで画像を見て、髪の毛1本1本が繊細で素晴らしい絵だと思い好きになった。ホームページで見るより、間近に画像を見て感動した。風景も人物も素晴らしい作品。今回、来て良かった」と、大変満足した様子だった。
 市立小樽美術館開催中の展覧会