桜町中開校50周年記念式典 400人が祝う


sakuramachityu1.jpg  小樽市立桜町中学校(桜1・渋谷和則校長)では、11月16日(金)14:00より、本校体育館で、開校50周年記念式典を開いた。全校生徒268名と来賓他128名・計400名が出席し、同校吹奏楽部による演奏や卒業生の記念講演が行われた。
 同校は、昭和37年1月、町の発展に伴い潮見台中学校から移籍し、417名8学級で市内16番目の中学校として開校した。平成元年には19学級あったが、平成2年望洋台中学校の新設により128名が移り、現在まで8,450名の卒業生が巣立った。開校15周年を記念して、校舎前に校碑「深思」を建立。深く良く考えて行動してほしいとの願いが込められている。
 渋谷校長は「本校の重点教育目標は、『自ら考え判断し主体的に学び行動ができる生徒を育成する』と定めている。何事も、良し悪しを良く考えて判断し、自分に厳しく行動してほしいと願っている。今年の文化祭は50周年を意識したテーマで設定し、生徒会、学校、学級で相談し、自分の考えを練り上げ活動した。人のために活動することを通して、素晴らしい文化祭をやり遂げたことで、自信を持ってもらいたい。先輩達の残した素晴らしい伝統と校風を立派に受け継ぎ、自分自身をしっかり磨き上げ、10年・20年・50年後には、母校は桜町中学校と胸を張って言える人になってもらいたい」と式辞を述べた。
 中松市長は「50周年の行事で、地域ぐるみの潮ねりこみ参加、記念文化祭など、本校と地域の絆をより強くし、50年間の伝統を築いてきた方々への感謝の意を、心に刻むことのできる素晴らしい機会だったと思う。今後も地域と一体となった教育環境を活かし、本校の掲げる教育の実現に一層力を注いでもらいたい。歴史と伝統ある桜町中学校に誇りを持ち、自分の夢と明るい未来に向かって成長され、いつか社会に飛び立ち、小樽の町の発展のために活躍するよう期待する」と祝辞を述べた。
 生徒を代表して、後期生徒会長・金岡柚希さんは、「父から聞いた当時の桜町中学校は、現在の2倍以上の人数がいた。変わっていないところは、教室から見える風景が良いところ。桜が咲いている時期はとても綺麗。沢山の生徒が通い、50年間桜町中学校が続いた。これから、100年、150年と続き、また別の生徒会長がこうして祝辞を読むことを願っています」と挨拶した。
sakuramachityu2.jpg 同校吹奏楽部が「アルセナール」「美女と野獣のメロディー」を演奏し、式歌「翼をください」を全員で斉唱した。
 記念講演「逆境の中に見つけたチャンス」と題して、同校第36期卒業生・北濱精悦氏が講演した。北濱氏は、1982年生まれで、21歳の時、空手の道へ進み、世界大会でチャンピオンとなる。現在は、現役を引退し、後進の育成に励む。小樽・札幌の4ヶ所の道場で約170名に指導している。
 「夢は体育の先生になりたかった。大学へ進学した頃、父の会社が倒産。夢を断念した。19歳頃、夢も希望もなく苦しみ悩んだ時代だった。職場の先輩から空手道場を紹介され、直感で自分には空手だと思い目覚めた。2歳年上の小樽出身の先輩が軽量級チャンピオンとなり、影響された。自分もなりたいと思い、21歳で空手を始め、軽量級チャンピオンとなり、始めてから4年で世界チャンピオンとなった」と話した。
sakuramachityu3.jpg 全員に伝えたいこととして「自分を信じて突き進む、信じる力が夢をかなえる。その第一歩を踏んでもらいたい。あきらめようとする自分が一番の敵」と語った。
 さらに、「鍛錬した心と体のみを信じて、試合で戦った。大いに挑戦し失敗した中で、プラスになることを見つける。色々な経験が自信となり財産となる。周りの客観的な言葉をまともに受け入れない。ダイヤモンドの原石だと思い続ける。成功のコツは、脳みそを騙す。本能は変えられない。理想の自分を思い描き、目標を達成する自分をイメージすること。当時は最悪だと思った時代がきっかけとなり、空手に出会い、チャンピオンを経験することに繋がり、幸せだと思う。逆境は、早いうちに乗り越える。自分の学んだことを社会に還元していきたい」と熱い思いを後輩に語った。