新しい高齢化像は?「オタルまちかど大学」第2期開講


machikadous.jpg オタルまちかど大学第2期が、9月29日(土)、小樽市立稲穂小学校(富岡1)レピオで開講した。
 第1回目は、「超高齢化社会を生きる~求められる新しい高齢者像」と題して、南小樽病院・矢野諭院長が講師となり、50名が受講した。同院長は昭和30年生まれ。北大を卒業し、2009年から南小樽病院院長となり、現在に至る。
 主催したNPO法人小樽ソシャールネットワークは、小樽の生活・福祉・情報をテーマに、人々が快適に豊かに過ごせることを目指して、今年1月に設立。会社経営者、弁護士、インターネット関連などの13名と、小樽商大教授・准教授4名のクリエーター計17名で活動している。今回の「オタルまちかど大学」や、小樽の街の魅力を再発見する「小樽散歩」、小樽にもっとクリエーターが育って欲しいと「クリエーターショップ」を開催している。また、会員情報誌「きとうと」(年4回程度)を、今年7月に創刊した。
 オタルまちかど大学は、第1期を今年2月から3月に5回開講し、好評を得ている。2期目も、1期で要望が多かった「相続と年金」「小樽の町づくり」など、全5回の講座を用意し、11月24日(土)が最終講座となる。
 同ネットワーク小笠原眞結美副理事長は「私達の活動が、小樽の人々に役に立てればと思う。その思いを会員と共有し、一緒に活動してもらいたい。皆様の生活が快適で豊かになれば」と挨拶した。
 矢野氏は、医療の立場から高齢者を多く診てきた。こうでありたい高齢者像の話から、高齢化社会を生きる参考にしたもらいたいと講義が始まった。
 「日本は、超高齢化社会が到来し、65歳以上の高齢者は、日本では23%を越える。小樽市では32.4%。手本のない、とてつもない速さで高齢化が進んでいる。医療技術の進歩により、平均寿命が延びた背景がある。老年学とは、心身共に健康で、生きる意欲を持ち、生き生きとした老人を作り出すこと。健康寿命(健康に過ごせる期間)がより重要になる。衰えに逆らわず、持っている機能を有効に使い、老化を個性とみなす考え方が大切。高齢者の病気の特徴は、精神神経疾患が増える。自分の感じる幸福感や意欲を見て、個人の生き方を大事にする」と話し、2時間の講義を終えた。
 市内奥沢在住の75歳の女性は「このような講座があるのを知らず、初めて参加した。今年から後期高齢者となり、今日はためになる話だった。できればもう少し、ゆっくり話してもらいたかった」と話していた。
 第2回目は10月6日(土)、「小樽の生き生きシニアから元気をもらう」と題して行われる予定。
 小樽ソーシャルネットワーク