「写真展と絵画展」の同時開催 市立美術館


kougakai.jpg 市立美術館(色内1)1階市民ギャラリー1で、「小樽光画会写真展」が開かれ、会員5名の31点の作品を展示している。
 小樽光画会(工藤孝幸会長 )は、昭和25年に発足し、現在会員9名。月に一度、作品を持ち寄り、親睦を大事にしながら、写真技術の勉強会も兼ねて例会を開いている。審査、講評し、会員それぞれに持ち点が加点され、1月の総会時に上位入賞者を表彰している。
 工藤会長は、昭和36年に入会し、当時は30名の会員がいたと当時を懐かしむ。今回は、5点の作品を出展し「つれづれの写真で、自分なりの写真を撮っている。個人々のモチーフがあり、親睦を深めるために例会を開き、会員を減らさないよう願っている」と話し、「現会員は、写歴が長いベテラン揃いで、デジタルカメラが多い中、リバーサルフィルムで写し、プリントすると色鮮やかで素晴らしい」と説明した。
 坂本厚三さんは、四国の城を出展。写真と共に歴史の深さが分るよう説明文が添えられている。
 毎年8月に写真展を開き、写真の楽しみ、感動ある作品を展示している。 8月19日(日)まで開催。
Hkudou.jpg 同時に 工藤英雄氏の個展も1階多目的ギャラリーで開かれている。10年に一度の開催で、今年は3回目の個展となる。
 道展会員の工藤英雄氏(65)は鹿追町の出身。仙台で針灸の勉強をし、小樽の病院に就職し、小樽に住んで45年が経つ。20歳で絵を始め、公募展へ出展するため、個性的なものをと考えた。東京の公募展を観たり、独学の62歳で道展会員となる。現在は、鍼灸師としての仕事も続けながら、自宅で絵画教室を開き、3名の生徒を教えている。
 ここ13年間に描いたコンテ・アクリル画・油彩と、工藤氏が選んだ受賞作品を含む自信作45点を展示している。被災地の釜石市や東松島市へ出向き、八戸でも防波堤が崩れているのを見たり、悲惨な光景を体験して描いた作品「3:11 瓦礫」はアクリル画で、「鎮魂」と3点を展示。紙粘土の上に銅の粉やブロンズの粉を吹きかけ酸化させる特殊な技法で、被災地を表現した。「震災を忘れないで欲しいという気持ちを込めて描いた」という。
 4年前に描いた抽象画や小樽祝津を色鮮やかに油彩で描いた風景画も展示している。工場の錆びた鉄くずやチェーンを題材にし描いた100号や150号の大型作品がずらりと並び、会場の半分を占め、迫力ある作品展となっている。工藤氏は「個展は集大成でもある。体力があればもう1度くらい個展を開きたい。その時代に反応し、描いてみたい絵が違ってくる」と話した。
 8月18日(土)14:00から、同会場で、友人の鎗水孝雄氏のギターミニコンサートが開かれる予定。絵画展は8月19日まで。