展示巣箱のはちみつ試食会 総合博物館



 小樽市総合博物館(手宮1・青木良英館長)では、企画展「養蜂とハチの世界」を6月24日まで開催した。その時に展示していたミツバチの巣箱から、採蜜して試食しようと、7月12日(木)14:00より、同館2階企画展示室前と実験室で、40人が蜂蜜の採蜜工程を体験した。
 市内塩谷で養蜂業を営む岩崎みつばち園(岩崎豊代表)が、4月2日に同館にミツバチの巣箱を設置。当初は1箱で、ハチが5,000〜6,000匹だったのが、3箱設置し、ハチも5万匹に増えた。1箱に1匹の女王蜂と働きバチとオスバチがいて、1枚約2,000匹のハチがいる巣板が8枚入っている。
 展示室前では、新聞紙を燃やした煙をかけ、ハチをおとなしくさせ、巣板を持ち上げて振ると、一気にハチが落ちた。実験室へ移動し、用意された観察用の透明な手動の遠心分離機に巣板をセットし、参加者がレバーを回して採蜜を体験した。ドロッとした蜂蜜が振り落とされ、どんどん溜まっていった。ニセアカシア糖度82度の、濃い蜂蜜が採取できた。1枚の巣板から約2リットルの蜂蜜が採取できる。

 青い鳥フォレストクラブ年長と年中の16人も参加し、遠心分離機を回したり、蜂蜜をパンにつけて試食したり、「美味しかった」「甘かった」「甘い匂いがした」と、歓声を上げていた。
 その後、岩崎氏から養蜂について、「塩谷で養蜂業を営み、塩谷伍助沢に巣箱20箱設置し、市内、赤井川、余市にも置いている。ハチの天敵は、熊とスズメバチで、熊対策として、電線を張り、進入出来ないようにしている。春一番に採取出来るのはトチノキで、6月上旬に採れる。その後、ニセアカシア、シナノキ、イタドリ、ドンガイの蜂蜜が採れ、蜜を採る木によって、味や香り・色が違う。普段は、電動の遠心分離機を使用し、巣板8枚を入れ、採蜜し不純物を濾して完成となる。
 冬は、本州へ貸し出しするものと越冬する巣箱がある。雪中は、0℃以下にならず、4月上旬まで雪があるような雪深い場所のハチが元気。越冬中のハチは巣箱の中で、はちみつや砂糖水を食べ、体を振動させ熱を出している。ハチの寿命は、夏場は約2ヶ月間で、越冬するハチは、女王蜂が春に産卵するまでの約半年の寿命となる。1匹のハチからは、ティースプーン1杯の蜂蜜が採れ、同館で展示した巣箱からは、7升のハチミツが採れる。小樽は農薬がなく、ハチのためには良い環境といえる」と話があった。
 参加者には、おみやげとして採蜜した蜂蜜が配られた。札幌在住の男性は「初めてで良い経験となった。これからもいろいろなイベントを開いてもらいたい」と満足した様子だった。
 担当の佐々木美香指導員は「ハチのことや小樽の養蜂業のことを分ってもらいたくて企画し良かった。もっともっとハチに興味を持ち、ハチの恩恵に与っていることも知ってもらいたい」と話した。