子どもの環境を守りたい 市長と語る会で論議


talkmayor0704.jpg 小樽市では、「市長と語る会」として、市民と行政の相互理解を一層深め、積極的にまちづくりに参加するため、市長と直接懇談する場を設けている。
 7月4日(水)10:00から、市役所別館(花園2)第3委員会室で「小樽・子どもの環境を考える親の会」のメンバー11名と市長、保健所、給食関係者9名が出席し、同会が開かれた。
 「小樽・子どもの環境を考える親の会(神聡子代表)」は、2003年に設立し、現在、市内に50名、全国各地を合わせると85名の会員がいる。アスベストやシックスクールなどの化学物質について、神代表が月1回会報を発行し、学習会を開いている。子どもを取り巻くあらゆる環境について、問題点を明らかにし改善を求め、各省庁・自治体に要望、交渉するなどの活動を行っている。
 テーマは、「原発事故(放射能漏れ)による防災対策と食品の安全について」とした。参加した会員には、3月に山形県から子どもと避難してきた人もいた。
 最初に自己紹介を行い、会員のひとりは「泊原発を動かさないで。放射能が心配。今日の会が無駄にならないように思い切った決断をしてほしい」と発言。次々と活発な論議が交わされた。
 安定ヨウ素剤を備蓄できるかについて、保健所参事は「薬事法の違反になるため、今のところは備蓄できない」と答え、学校給食の放射能汚染状況と取り組み方については、「現在は、業者に測定を委託し、10月頃に無償で消費者庁から放射線物質測定器を導入、独自に検査する。学校給食の食材を優先し、市民からの持込みにも対応していきたい」と答えた。
 また、泊原発を大飯原発のように稼動させないように守れるかについて、市長は「将来的には必要だが、原発を全部止めると、電力を守れるか自信がない。安心感をずっと持ち続けたい」と答えた。また、「ひとりひとりの会員の話は理解できるが、福島の事故は、津波なのか地震なのか原因が分らず、防災計画ができていないのも事実。日本の国がしっかりと防災について示していない。小樽市としてもルールがあり、国・道がしっかりと示してから小樽市も考えたい。小樽市は、UPZ(緊急防護措置区域)に入っておらず、自然環境や風向きなどと考慮し判断してもらいたい。小樽を担う子ども達をどう育てるか、高齢者をどう避難させるか、自然災害を含めて考えたい。安心、安全な暮らしができるよう積極的に取り組みたい」と述べた。
 会を終えて、神代表は「市の職員の方々と初対面で会い、今後、活動しやすくなった。答えや約束を求めていた訳ではなく、このような団体が小樽にあり、福島から離れているけど、こんなに考えている団体がいるんだということを分ってくれたら、大成功だと思う。生の心配している親の声を知ってもらえたら良い」と話した。